特に男性は、パッと見ただけでかっこいいカラダ、締まったカラダと周りに知らしめ、トレーニングを普段からしていることをアピールできるのが胸の筋肉です。その存在感は、服を着ていても薄れることはありません。
そんな胸を作りたいと、多くの人がトレーニングに励んでいます。今回は胸の筋肉を鍛えるためのエクササイズや効果的な鍛え方を紹介していきます。
この記事の目次
- 1 自宅でもできるエクササイズから、ジムでやる本格的高負荷のエクササイズまで一挙紹介。大きく盛り上がった胸を作る!
- 2 胸のトレーニングにより鍛えられる筋肉・主働筋・協働筋
- 3 胸を鍛えるエクササイズの種類・フォームの解説
- 4 大胸筋上部を鍛えるトレーニング
- 5 大胸筋中部を鍛えるトレーニング
- 6 大胸筋下部を鍛えるトレーニング
- 7 胸トレの種目やセットの組み方
- 8 まとめ
自宅でもできるエクササイズから、ジムでやる本格的高負荷のエクササイズまで一挙紹介。大きく盛り上がった胸を作る!
なんといっても胸!男性が好きなトレーニング部位No.1
男性が好きなトレーニング部位といえばやっぱり胸ですよね。筋トレを知らなくても、胸を鍛える腕立て伏せやベンチプレスは知っている!という人も多いのではないでしょうか。
盛り上がった胸を作るだけでカラダつきが見違えますし、逞しい印象を与えることができます。
また、筋肉を大きくするのではなく、筋力を追求する人も多いのが胸の筋肉を鍛える魅力です。ベンチプレスだけの大会が開催されているという事実からも、胸トレの人気の高さをうかがい知ることができます。
胸を鍛えることは、自信を持てるカラダになれるということなのです。
上半身の厚みを増やすために欠かせない部位
カラダの前面にある胸の筋肉は、カラダの厚みを作るうえで重要な部位です。どんなに引き締まったカラダでも、横から見たらペラペラに薄いのではいいカラダとはいえません。
上半身の厚みを作るためには、大胸筋の盛り上がりが必要不可欠なのです。
胸のトレーニングにより鍛えられる筋肉・主働筋・協働筋
ここでは胸のトレーニングを行うことによって刺激される筋肉を紹介していきます。
大胸筋
胸のトレーニングによって鍛えるメインターゲットは大胸筋です。大胸筋は腕を内側に閉じるときや腕を上に上げるときに力を発揮します。
大胸筋は部分によって、上部・中部・下部と分けることができます。
大胸筋上部を鍛えることで鎖骨のすぐ下から盛り上がる大胸筋を作ることができますし、大胸筋中部を鍛えることで横に広い大胸筋を作ることができます。大胸筋下部を鍛えると、大胸筋のボリュームを増やし厚みを作ることができます。
このように上部・中部・下部のそれぞれを個別に分けてトレーニングすることによって、大胸筋全体を大きくすることができます。
三角筋
胸の多くのエクササイズでは、肩の筋肉である三角筋が協働筋として大胸筋とともに力を発揮します。三角筋は、腕を上に持ち上げる働きをする筋肉で、胸のトレーニングの場合は三角筋前部が力を発揮します。
上腕三頭筋
三角筋同様、上腕三頭筋も協働筋として胸のトレーニングで使われることが多い筋肉です。上腕三頭筋は肘を伸ばす動作の際に力を発揮します。
前鋸筋
前鋸筋は肩甲骨から肋骨にかけて走行している小さな筋肉です。肩甲骨を外転(外側に広げる)したり、上方回旋する際に力を発揮します。
胸を鍛えるエクササイズの種類・フォームの解説
鍛える上でのコツ・ルール・注意点
胸を鍛える上でのコツを紹介します。
高重量×低レップで筋肉に大きな刺激を与える
胸の筋肉の中でも大胸筋は大きく強い力を発揮できる筋肉です。そのため高重量を扱い大きな刺激を与えることが筋肉を大きくするためのポイントです。
8~10回×3セットというオーソドックスな負荷設定は筋肥大に効果的ですが、たまには数回程度しか上げられない負荷を扱い、筋力向上にフォーカスしたトレーニングすることも効果を高めます。
高重量を扱う際は注意が必要です。正しいフォームや動作をしっかり身につけていなければ高重量を扱うことはできませんし、ムリなフォームでの動作は効果が低くなるだけでなくケガのリスクが大きく高まります。
まずはしっかりと各種目で10~12回程度の正しい動作が行えるようにフォームを安定させ、それから積極的に高重量でトレーニングするようにしましょう。
※筆者は焦って高重量を求めてしまうあまり、前腕や肩の痛みが出てしまいました。
しっかり胸の筋肉で“押す”感覚を身につけよう
腕立て伏せやベンチプレスなど胸を鍛える種目を行っていても、腕を伸ばすことばかり意識していて胸がしっかり刺激されていない人も多いようです。腕ばかり疲れてしまうという人は、胸の収縮をしっかり意識できていないかもしれません。
胸のトレーニングを行う際は腕の曲げ伸ばしよりも、しっかり胸に負荷がかかっていることを意識しながら“胸で押す”感覚で動作を行うとよいでしょう。
肩甲骨をしっかり寄せて胸の可動域を確保しよう
胸に効かない人の多くは、肩甲骨の動作・位置が悪い場合が多いです。動作を始める前に肩甲骨をしっかり寄せて胸を張った姿勢を作りましょう。
肩甲骨がしっかり寄っていると肩関節の可動域が大きくなり、大胸筋を大きく動かすことができます。そのことによって大胸筋にかかる負荷が増えるのです。
また、動作中は寄せた肩甲骨を動かさずに固定しておくことが求められるエクササイズもあります。その場合は、動作を通じて肩甲骨を寄せておくことを意識しながら行うようにしましょう。
上部・中部・下部とターゲットを分けてエクササイズを選ぼう
先ほど解説した通り、大胸筋は上部・中部・下部と分けられ、それぞれエクササイズの方法が異なります。自分の狙った部分にしっかり刺激を入れるためには、それぞれの部分を鍛えるエクササイズを知っておく必要があります。
基本的なエクササイズに慣れてきたら、それぞれの部分別にエクササイズを細かく分けて選択するようにしましょう。
大胸筋上部を鍛えるトレーニング
大胸筋上部を鍛えるエクササイズを紹介します。
インクラインベンチプレス
ベンチの角度を斜めにし、頭側を高くした姿勢で行うベンチプレスです。
– やり方の概要
1.30~45°くらいに角度をつけたベンチに仰向けになります。足は腰幅程度に開き、しっかり床につけます。
2.手幅は肩幅よりも握りこぶし2個分外側くらい広めにしてバーを握ります。肩甲骨の位置を修正し、正しいポジションをとったら、腕を伸ばした状態でバーベルをラックから外します。
3.バーを胸の真上に移動させたら、肘を曲げていきバーをゆっくりと下していきます。動作中、肘の真上に手首がくるようなイメージで動作を行いましょう。
4.大胸筋の上部~鎖骨のあたりを目安に下します。下せるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。
5.この動作を繰り返し行います。
– 効果のある筋肉・部位
大胸筋上部・三角筋前部・上腕三頭筋
– 気をつけること、ケガ防止のために
バーベルを下す際に肘を真横に広げる意識で行うと、下す位置が浅くなってしまったり動作がやりにくく感じます。肩へのストレスも高くケガにつながるので、若干脇を締めるようなフォームで行うようにしましょう。
ベンチの角度は浅いほど大胸筋上~中部に効き、傾斜を大きくすると大胸筋中部と三角筋前部に効きやすくなります。自分のターゲットとしている部分にしっかり負荷がかかるのを感じる角度に調整して行いましょう。
– 参考動画
インクラインダンベルベンチプレス
インクラインベンチプレスの動作をダンベルで行う方法です。
– やり方の概要
1.30~45°くらいに角度をつけたベンチに仰向けになります。足は腰幅程度に開き、しっかり床につけます。
2.両手にダンベルを握り胸の前に持ち上げます。肩甲骨の位置を修正し、正しいポジションをとりましょう。
3.肘を曲げていきダンベルをゆっくりと下していきます。動作中、肘の真上に手首がくるようなイメージで動作を行いましょう。
4.下せるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。
5.この動作を繰り返し行います。
– 効果のある筋肉・部位
大胸筋上部・三角筋・上腕三頭筋
– 気をつけること、ケガ防止のために
バーベルに比べ可動域が大きくなり安定性が悪くなるため、動作が不安定になりやすいです。
負荷の調整を確認しながら、しっかり動作をコントロールして行うようにしましょう。
また、高重量を扱う時は持ち上げるときや下す時にダンベルを膝の上に乗せるなどのテクニックを使いケガを防ぎましょう。
– 参考動画
インクラインダンベルフライ
ベンチの角度を斜めにし、頭側を高くした姿勢で行うダンベルフライの方法です。
– やり方の概要
1.30~45°くらいに角度をつけたベンチに仰向けになります。足は腰幅程度に開き、しっかり床につけます。
2.両手にダンベルを握り胸の前に持ち上げます。肩甲骨の位置を修正し、正しいポジションをとりましょう。
3.肘を軽く曲げたままダンベルをゆっくりと真横に下していきます。動作中、肘の角度が変わらないように固定し胸を開いていく意識で下していきましょう。
4.下せるところまで下ろしたら、ダンベルを持ち上げていき元の姿勢に戻ります。
5.この動作を繰り返し行います。
– 効果のある筋肉・部位
大胸筋上部
– 気をつけること、ケガ防止のために
ダンベルを下げすぎると肩を痛める原因になります。肩関節に痛みが出る場合は、痛みが出る位置よりも浅い部分で動作をやめるようにしましょう。
動作の軌道がわかりにくいので、動作をしながら大胸筋上部に負荷がかかっているかどうか確認しながら丁寧に行うとよいでしょう。
– 参考動画
デクラインケーブルクロスオーバー(デクラインケーブルフライ)
ケーブルマシンを使い、立った姿勢で行うエクササイズです。
– やり方の概要
1.ケーブルマシンのプーリーを腰よりも下にセットして両手でグリップを持ち、マシンの前に背中を向けて立ちます。
2.肘を軽く曲げたまま、ケーブルを斜め上前方に引き上げていきます。動作中、肘の角度を変えずに引き上げるようにしましょう。
3.胸の高さくらいまで引き上げたら、ゆっくりと元の姿勢に戻していきます。
4.この動作を繰り返し行います。
– 効果のある筋肉・部位
大胸筋上部
– 気をつけること、ケガ防止のために
はじめのうちは、斜め上に引き上げるという動作が難しいかもしれません。引き上げる高さが低ければ大胸筋上部を効果的に刺激できませんので、その場合は負荷を少なくしてでも高く引き上げられるようにしましょう。
動作中、上体は真っすぐに維持したまま行うようにしましょう。
– 参考動画
インクラインチェストプレス
マシンを使って行うエクササイズです。
やり方の概要
1. インクラインプレスマシンに座ります。
2.両手でグリップを握り、肘を伸ばしてウエイトを持ち上げます。肩甲骨の位置を修正し、正しいポジションをとりましょう。
3.肘を曲げていきウエイトをゆっくりと下していきます。動作中、手首と肘が同じ方向へ動くように動作を行いましょう。
4.下せるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。
5.この動作を繰り返し行います。
– 効果のある筋肉・部位
大胸筋上部
– 気をつけること、ケガ防止のために
マシンは動作の軌道が決まっているため、安全性の高い種目です。可動域が大きくとれるようにマシンの位置を調整しましょう。
マシンがジムにない場合は、スミスマシンを活用すると安全に行うことができます。
– 参考動画
(11:14~)
デクラインプッシュアップ
腕立て伏せのバリエーションの一つです。
‐ やり方の概要
1.腕立て伏せの姿勢になります。この時、手幅は肩幅よりも拳2個分外側に広げて床につきます。足を台やイスなどの上にのせ、頭が足よりも低くなるようにします。
2.肘を曲げてカラダを下していきます。胸が地面にくっつくくらいの位置まで下ろすとよいでしょう。
3.下せるところまでいったら、肘を伸ばしカラダを持ち上げていきます。
4.この動作を繰り返します。
– 効果のある筋肉・部位
大胸筋上部・上腕三頭筋
– 気をつけること、ケガ防止のために
カラダをしっかり下しきるようにしましょう。
動作中に腰を反らせたり、お尻が高く上がらないようにカラダを一直線のまま動作を行うことを意識してください。
– 参考動画
大胸筋中部を鍛えるトレーニング
大胸筋中部を鍛えるエクササイズを紹介します。
ベンチプレス
ベーシックなベンチプレスの方法です。まずはこのベンチプレスを正しいフォームでできるようにしましょう。
– やり方の概要
1.ベンチに仰向けになります。バーベルが目線の真上にくるくらいを目安に、動作をしやすい場所を確認します。足は腰幅程度に開き、しっかり床につけます。
2.手幅は肩幅よりも握りこぶし2個分外側くらい広めにしてバーを握ります。肩甲骨の位置を修正し、正しいポジションをとったら、腕を伸ばした状態でバーベルをラックから外します。
3.バーを胸の真上に移動させたら、肘を曲げていきバーをゆっくりと下していきます。動作中、肘は横に開き、肘の真上に手首がくるようなイメージで動作を行いましょう。
4.乳首の上あたりを目安に下します。下せるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。
5.この動作を繰り返し行います。
– 効果のある筋肉・部位
大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋
– 気をつけること、ケガ防止のために
肩甲骨をしっかり寄せた姿勢で動作を行いましょう。動作中は常に肩甲骨が寄った状態を保ちます。
腰のブリッジや反動を使うと、腰や肩を痛める原因になります。とくに高重量を扱う時は、ブリッジや反動を使わないように気をつけましょう。
– 参考動画
ダンベルベンチプレス
ベンチプレスの動作をダンベルで行う方法です。
– やり方の概要
1.ベンチに仰向けになります。足は腰幅程度に開き、しっかり床につけます。
2.両手にダンベルを握り胸の前に持ち上げます。肩甲骨の位置を修正し、正しいポジションをとりましょう。
3.肘を曲げていきダンベルをゆっくりと下していきます。動作中、肘は横に開き、肘の真上に手首がくるようなイメージで動作を行いましょう。
4.下せるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。
5.この動作を繰り返し行います。
– 効果のある筋肉・部位
大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋
– 気をつけること、ケガ防止のために
バーベルに比べ動作が不安定になりやすいです。慣れていない場合は軽い負荷から行い、しっかり動作をコントロールして行うようにしましょう。
また、高重量を扱う時は、持ち上げるときや下す時にダンベルを膝の上に乗せるなどのテクニックを使いケガを防ぎましょう。
‐ 参考動画
ダンベルフライ
大胸筋をピンポイントに鍛えるエクササイズです。
– やり方の概要
1.ベンチに仰向けになります。足は腰幅程度に開き、しっかり床につけます。
2.両手にダンベルを握り胸の前に持ち上げます。肩甲骨の位置を修正し、正しいポジションをとりましょう。
3.肘を軽く曲げたままダンベルをゆっくりと真横に下していきます。動作中、肘の角度が変わらないように固定し胸を開いていく意識で下していきましょう。
4.ダンベルが肩の高さくらいにくるまで下ろしたら、ダンベルを持ち上げていき元の姿勢に戻ります。
5.この動作を繰り返し行います。
– 効果のある筋肉・部位
大胸筋中部
– 気をつけること、ケガ防止のために
肘の伸ばしすぎも曲げ過ぎも大胸筋への負荷が減ってしまう原因になります。動作を通じて、軽く肘を曲げたまま固定しておきましょう。
しっかり肩甲骨を寄せて胸を張ると可動域が広がり、効果的に大胸筋を刺激することができます。
– 参考動画
ケーブルクロスオーバー
ダンベルフライの動作をケーブルマシンで行う方法です。
‐ やり方の概要
1.ケーブルマシンのプーリーを腰の高さにセットして両手でグリップを持ち、マシンの前に背中を向けて立ちます。
2.肘を軽く曲げたまま、ケーブルを前方に引いていきます。動作中、肘の角度を変えずに引くようにしましょう。
3.胸の前で両手を合わせるくらいまでしっかり引いたら、ゆっくりと元の姿勢に戻していきます。
4.この動作を繰り返し行います。
– 効果のある筋肉・部位
大胸筋中部
– 気をつけること、ケガ防止のために
大胸筋中部を鍛えるには軌道が水平になるようにして動作を行います。動作中の姿勢を真っすぐにしたまま行うようにしましょう。
ケーブルの位置をやや高い位置にセットし、カラダを前傾させて行うことで水平の軌道にするやり方もあります。この方が力が入りやすい場合もあるので、水平に動かす動作がやりにくい場合は試してみましょう。
‐ 参考動画
チェストプレス
マシンで行うベーシックな胸のエクササイズです。
– やり方の概要
1.マシンに座ります。しっかりと背中をシートにつけ、可動域が大きくなるようにマシンの位置を調整しましょう。
2.両手でグリップを握り、肘を伸ばしてウエイトを持ち上げます。肩甲骨の位置を修正し、正しいポジションをとりましょう。
3.肘を曲げていきウエイトをゆっくりと下していきます。動作の軌道と前腕部が同じ方向に動くように動作を行います。
4.下せるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。
5.この動作を繰り返し行います。
– 効果のある筋肉・部位
大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋
– 気をつけること、ケガ防止のために
一般的に胸を鍛えるマシンとしてジムに設置されているのがこのチェストプレスです。初心者でも簡単に行うことができますが、行う際は可動域をフルに動かせるようにマシンを調整しましょう。
上級者はトレーニング最後の追い込みとして活用しましょう。
– 参考動画
プッシュアップ
ベーシックな腕立て伏せです。
‐ やり方の概要
1.腕立て伏せの姿勢になります。この時、手幅は肩幅よりも拳2個分外側に広げて床につきます。
2.肘を曲げてカラダを下していきます。胸が地面にくっつくくらいの位置まで下ろすとよいでしょう。
3.下せるところまでいったら、肘を伸ばしカラダを持ち上げていきます。
4.この動作を繰り返します。
– 効果のある筋肉・部位
大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋
– 気をつけること、ケガ防止のために
しっかり胸に刺激を入れるためにも、動作中は腰が反ったりお尻が上がったりしないよう真っすぐな姿勢で行いましょう。
大胸筋をメインで刺激を入れたい場合は、さらに手幅を広くして行うと効果的です。
‐ 参考動画
ペックデック
大胸筋をピンポイントに刺激するマシンでのエクササイズです。
– やり方の概要
1.マシンに座ります。しっかりと背中をシートにつけ、可動域が大きくなるようにマシンの位置を調整しましょう。
2.両肘をしっかりパッドに当てたまま両手でグリップを握ります。この時、肘の高さが胸の高さと同じくらいになるようにマシンを調整しましょう。調整ができたら、肩甲骨の位置を修正し正しいポジションをとります。
3.両腕を合わせるように力を入れて内側に閉じていきます。肘と肘がくっつくくらいまで動作を行いましょう。
4.いけるところまで閉じたら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
5.この動作を繰り返し行います。
– 効果のある筋肉・部位
大胸筋中部
– 気をつけること、ケガ防止のために
ペックデックには、肘をパッドにつけて曲げたまま動作を行うマシンと、肘を伸ばして行うマシンがあります。どちらも動作が同じで大胸筋のみを鍛えるマシンですが、初心者の場合はパッドがあるマシンの方が動作はやりやすいと思われます。
好みに合わせて選択するとともに、刺激に慣れてしまったら違うタイプのものを使ってみるというのも効果的です。
– 参考動画
大胸筋下部を鍛えるトレーニング
大胸筋下部を鍛えるエクササイズを紹介します。
デクラインベンチプレス
ベンチの角度を斜めにし、脚側を高くした姿勢で行うベンチプレスです。
‐ やり方の概要
1.デクラインベンチに仰向けになります。足は動かないようにパッドでしっかり固定します。
2.手幅は肩幅よりも握りこぶし2個分外側くらい広めにしてバーを握ります。肩甲骨の位置を修正し、正しいポジションをとったら、腕を伸ばした状態でバーベルをラックから外します。
3.バーを胸の真上に移動させたら、肘を曲げていきバーをゆっくりと下していきます。動作中、肘は横に開き、肘の真上に手首がくるようなイメージで動作を行いましょう。
4.乳首の上あたりを目安に下します。下せるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。
5.この動作を繰り返し行います。
– 効果のある筋肉・部位
大胸筋下部・上腕三頭筋
– 気をつけること、ケガ防止のために
トレーニング施設に専用のデクラインベンチがない場合、フラットベンチに両足をのせて腰を思いっきり浮かせ自分のカラダを斜めにしても同じ効果を得ることができます。
その方法でおこなう場合は、バランスを崩しやすいので十分に注意しましょう。
はじめて行う際は動作の軌道などをしっかり確かめるためにも軽い負荷にしたり、スミスマシンや補助者をつけるなどして安全に行いましょう。
‐ 参考動画
デクラインダンベルベンチプレス
ベンチの角度を斜めにし、脚側を高くした姿勢で行うダンベルベンチプレスです。
– やり方の概要
1.デクラインベンチに仰向けになります。足はしっかりパッドに固定します。
2.両手にダンベルを握り胸の前に持ち上げます。肩甲骨の位置を修正し、正しいポジションをとりましょう。
3.肘を曲げていきダンベルをゆっくりと下していきます。動作中、肘は横に開き、肘の真上に手首がくるようなイメージで動作を行いましょう。
4.下せるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。
5.この動作を繰り返し行います。
– 効果のある筋肉・部位
大胸筋下部・上腕三頭筋
– 気をつけること、ケガ防止のために
肩甲骨を寄せ、しっかりと可動域を確保しながら行いましょう。
ダンベルを持ち上げる位置が顔の前に行きすぎるとバランスを崩してしまいますので注意が必要です。
また、トレーニングを終え、ダンベルを床に下す時も十分に注意しましょう。
– 参考動画
デクラインダンベルフライ
ベンチの角度を斜めにし、脚側を高くした姿勢で行うダンベルフライです。
– やり方の概要
1.デクラインベンチに仰向けになります。足はしっかりパッドに固定します。
2.両手にダンベルを握り胸の前に持ち上げます。肩甲骨の位置を修正し、正しいポジションをとりましょう。
3.肘を軽く曲げたままダンベルをゆっくりと真横に下していきます。動作中、肘の角度が変わらないように固定し胸を開いていく意識で下していきましょう。
4.下せるところまで下ろしたら、ダンベルを持ち上げていき元の姿勢に戻ります。
5.この動作を繰り返し行います。
– 効果のある筋肉・部位
大胸筋下部
– 気をつけること、ケガ防止のために
他のダンベルフライ同様、肘は軽く曲げて固定したまま動作を行いましょう。
はじめての場合は軌道がわかりにくいので、軽いダンベルを使って動作を確認してから徐々に負荷を増やしていくようにしましょう。
– 参考動画
インクラインケーブルクロスオーバー
ケーブルマシンを使い、立った姿勢で行うエクササイズです。
– やり方の概要
1.ケーブルマシンのプーリーを一番上にセットして両手でグリップを持ち、マシンの前に背中を向けて立ちます。
2.肘を軽く曲げたまま、ケーブルを斜め下前方に引き下げていきます。動作中、上体は真っすぐ垂直に保ち、肘の角度を変えないようにして行いましょう。
3.両手が腰の高さくらいになるまでしっかり下げたら、ゆっくりと元の姿勢に戻していきます。
4.この動作を繰り返し行います。
– 効果のある筋肉・部位
大胸筋下部
– 気をつけること、ケガ防止のために
上体を倒しすぎてしまうと、大胸筋中部に刺激が多くかかってしまいます。できるだけ上体は真っすぐにしたまま動作を行うようにしましょう。
ウエイトを引くことに意識が行きすぎると、肘の曲げ伸ばしが生じたり体重をかけて反動を使うなどの動作が起こってしまいます。正確に動作を行える重量設定で行いましょう。
– 参考動画
デクラインマシンプレス
マシンを使って行うエクササイズです。
‐ やり方の概要
1. デクラインプレスマシンに座ります。
2.両手でグリップを握り、肘を伸ばしてウエイトを持ち上げます。肩甲骨の位置を修正し、正しいポジションをとりましょう。
3.肘を曲げていきウエイトをゆっくりと下していきます。動作中、手首と肘が同じ方向へ動くように動作を行いましょう。
4.下せるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。
5.この動作を繰り返し行います。
– 効果のある筋肉・部位
大胸筋下部・上腕三頭筋
– 気をつけること、ケガ防止のために
デクラインベンチプレスができるマシンがジムに無い場合もあります。もしジムにマシンがない場合は、スミスマシンを活用して行うようにしましょう。
スミスマシンを活用する場合もやり方は同じです。スミスマシンにデクラインベンチを設置して行いましょう。
– 参考動画
(6:21~)
インクラインプッシュアップ
腕立て伏せのバリエーションの一つです。
‐ やり方の概要
1.両手をテーブルやイスなどの上にのせ、頭が足よりも高くなるようにして腕立て伏せの姿勢になります。この時、手幅は肩幅よりも拳2個分外側に広げて床につきます。
2.肘を曲げてカラダを下していきます。胸が地面にくっつくくらいの位置まで下ろすとよいでしょう。
3.下せるところまでいったら、肘を伸ばしカラダを持ち上げていきます。
4.この動作を繰り返します。
– 効果のある筋肉・部位
大胸筋下部・上腕三頭筋
– 気をつけること、ケガ防止のために
頭側が高くなることにより、ベーシックなプッシュアップよりも負荷が軽くなります。プッシュアップができない初心者や女性はこのエクササイズをオススメします。
姿勢をまっすぐにしたまま、可動域を大きく動かすようにして行いましょう。
– 参考動画
ディップス
自重トレーニングですが、高負荷なエクササイズです。
– やり方の概要
1.ディップスバーがついているチンニングスタンドやディップスマシンを使用します。
2.バーを握り、上体を浮かせます。両膝は曲げて後ろで組みましょう。
3.上体を前に傾けながらゆっくりと肘を曲げていきます。肘の角度が90度くらいになるのを目安にカラダを下していきましょう。
4.下せるところまで下ろしたら、肘を伸ばしカラダを持ち上げていきます。
5.この動作を繰り返します。
– 効果のある筋肉・部位
大胸筋下部・上腕三頭筋
– 気をつけること、ケガ防止のために
しっかりと肘を曲げて可動域全体で動作を行うようにしましょう。自重でできない場合は、マシンのサポートを使って行うとよいでしょう。
チンニングマシンには手幅が変えられるものがあります。胸に効かせるためには手幅を広くするとよいでしょう。
– 参考動画
胸トレの種目やセットの組み方
胸のトレーニングメニューの組み方を紹介します。トレーニングスケジュールを作る際の参考にしてみてください。
初心者はケガのリスクが低い自重・マシン・ダンベルでの種目を取り入れてみる
筋トレ未経験など、初心者の場合はケガのリスクが低い自重でのトレーニングやトレーニングマシンを使ったエクササイズを中心にメニューを組みましょう。
ある程度胸のトレーニングに慣れてきたら、次はダンベルの種目を取り入れてみてください。胸のトレーニング種目は数多くあるので、それだけでも胸をしっかり追い込むことができます。
まずはフォームや動作を正確に行うことを重視してトレーニングに取り組みましょう。
中級者はスミスマシン・バーベルを使った高重量種目にチャレンジ
トレーニング動作が正確に安定して行えるようになったら、バーベルで高重量を扱う種目に取り組んでいきましょう。
バーベルやダンベルで高重量を扱うエクササイズは、短時間で筋肉へ大きな刺激を与えることができます。
高重量を扱うことに不安がある人は、スミスマシンを活用してみましょう。スミスマシンで動作や重量に慣れてからバーベルを使ったエクササイズに移行していくと、動作がスムーズにできるようになります。
スミスマシンでのベンチプレスは稼動する方向が固定されており頭上にバーベルを落とすようなことはほぼなく、大ケガが引き起こされる可能性はかなり低いです。
※はじめの頃は、スミスマシンでのフォームチェック・トレーナーや筋トレ経験者の補助をつけた上でトレーニングを行うようにしてください。
複数のエクササイズを組み合わせて胸全体を刺激する
胸を鍛える際は上部・中部・下部のエクササイズをバランスよく取り入れ、胸全体を刺激するようにしましょう。とくに大胸筋上部は意識して鍛えないと、大きくなっていきません。
いつも同じトレーニングメニューではなく、複数のエクササイズを色々組み替えながらトレーニングを行うことで刺激に慣れさせずに成長させていくことができます。
バーベル・ダンベル・マシンの違いでも刺激が異なりますので、色々なメニューに挑戦してみましょう。
前半は多関節×高重量×低~中レップ数で、後半は単関節×低重量×高レップ数でメニューを組む
トレーニング前半の筋肉が疲れていない状態のうちに、肘を曲げ伸ばしを伴う多関節種目(コンパウンド種目)を高重量×低レップ数で行うようにしましょう。そうすることにより大きな刺激を大胸筋に与えることができます。
疲労により高重量が扱えなくなってくるトレーニング後半は、大胸筋をピンポイントに刺激する単関節種目(アイソレーション種目)を低重量×高レップ数で行い、限界まで大胸筋を追い込みましょう。
まとめ
- 胸はカラダの見た目を大きく左右する重要な部位である
- 高重量を使い大きな刺激を与えることが成長させるポイント
- 肩甲骨を寄せて可動域を大きくし、しっかり胸で押す感覚を感じよう
- 大胸筋は上部・中部・下部に分けられる 全体を刺激して大きな胸を作ろう
- 初心者は正しいフォームや動作を意識して取り組もう
- トレーニング前半は高負荷で、トレーニング後半は低負荷でしっかり筋肉を追い込もう
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