マッチョになるには、高重量でガンガントレーニングが必要だといわれていますよね。たしかに、セオリーとしては高重量を扱うことで効率よくボディメイクを成功させることができます。
ただし、中には怪我をしていたり、高重量を扱うのが不安という方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、低重量で筋トレをすることで得られるメリットやオススメのテクニックを紹介していきます。
具体的には
- 低重量でも筋肥大ができる理由
- 低重量で筋トレを行うメリット
- 低重量で追い込むための筋トレテクニック
の順に、重要な点に絞って解説していきます。
本稿を読み、低重量トレーニングを身につけて効率よくボディメイクを成功させましょう!
この記事の目次
低重量でも筋肥大はできる?低重量トレーニングの効果
冒頭でも軽く触れた通り、基本的に筋肥大をしようと考えた場合はギリギリ8~12回程度上がる重量で最低3セットがセオリーとされています。
それなのに『そもそも、低重量のトレーニングなんかで筋肥大ができるの?』と疑問に感じている方も多いですよね。
もちろん大前提として高重量を扱ったほうがより効率よく筋肥大をさせることができるのですが、実は低重量のトレーニングで筋肥大をさせることは可能です
まずはその理由を解説していきます。
人体にはたくさんの筋肉が存在するのですが、実は
- 高重量×低回数で反応
- 低重量×高回数で反応
というように、筋肉によってはどのくらいの重量で刺激を与えるかによって筋肥大しやすいかどうかが異なります。
たとえば一口に腕の筋肉といっても
- 上腕三頭筋(二の腕)→高重量×低回数で反応
- 上腕二頭筋(力こぶ)→低重量×高回数で反応
との研究結果が報告されています。
そして筋肉はある程度の刺激(ストレス)を与えることで反応して筋肥大がされるため、低重量でもその刺激を与えればいいということになります。
また、筋肥大をさせるには
- 物理的刺激
- 科学的刺激
が必要とされています。
そして高重量では物理的刺激、低重量では科学的刺激を与えることができるのです。
物理的刺激とは、重い重量を扱って筋肉に対してダイレクトに刺激を与えることを指しますが、科学的刺激とは筋肉内の環境を悪くしてストレスを与えることです。
低重量×高回数でトレーニングを行うことで筋肉内が
- 血流が滞る
- 酸欠状態
- 疲労物質が溜まる
などで環境が悪くなります。
そして筋肉に科学的刺激を与えることで成長ホルモンの分泌が促進され、筋肥大へとつながるというわけです。
低重量~高重量まですべての重量を扱えたほうが効率はいいですが、低重量だけでも筋肥大できるのは以上の理由からです。
低重量でのトレーニングが筋肥大に効果的な理由をより詳しく知りたい方は、下記の動画を参考にしてみてください。
また、筋肉に対して実際に低重量でどのように刺激を与えていけばいいかは、のちほど詳しく解説します
低重量で筋トレを行う5つのメリット
低重量でも筋肥大ができることは可能だと説明しましたが、逆に低重量だからこそ得られるメリットを5つ紹介していきます。
①関節への負担が少ない
まず一つ目のメリットが、低重量トレーニングであれば関節への負担が少ないということです。筋トレを正しく行っていれば、必ず扱える重量は上がっていきます。
つまり本格的にトレーニングを行っていればいるほど、関節を痛めやすくなるのです。
筋肉は強くなっても、関節までは強くなりません。次第に関節が消耗していき気付かぬうちに痛めている、というのはトレーニーあるあるですよね。
そして関節を痛めるほどの筋トレをしている方というのは基本的にトレーニングが好きな方たちのため、ごまかしながらトレーニングを続けてどんどん悪化していく…という悪循環に陥りがちです。
一度関節を怪我してしまうと治りにくく、他のトレーニングにも悪影響を及ぼしてしまいます。
その点、低重量のトレーニングであれば関節にはほとんど負担がかかりません。そのためすでに関節を痛めている上級者から、関節の怪我予防をしたい初級者の方まで、すべての方にメリットがあります。
②マッスルコントロールがうまくなる
続いて2つ目のメリットは、低重量でトレーニングをするとマッスルコントロールがうまくなるという点です。
なぜ低重量で行うとマッスルコントロールがうまくなるかというと、高重量トレーニングでは重りを扱うことに集中してしまって効かせる感覚がおろそかになってしまうからです。
ちなみにマッスルコントロールとは、動かしたい筋肉を自分の意志で自由に動かすことができる能力です。大胸筋をピクピクと動かしているマッチョを思い浮かべるとイメージしやすいと思いますが、あれは神経が発達することでできるようになります。
マッスルコントロールがうまくなると筋トレでも狙った部位にしっかりと負荷を乗せることができるため、より筋トレの成果が出やすくなるのです。
トレーニング上級者になればなるほど3kgなど低重量のダンベルでも効かせられるようになるため、低重量トレーニングでマッスルコントロールを身につけましょう。
③筋持久力がつく
続いて3つ目のメリットが、低重量でトレーニングをすると筋持久力がつくことです。低重量×高回数でも筋肥大はできますが、実は筋持久力をつけるために取り入れられることが多いトレーニング方法なのです。
持久力をつけるとなるとマラソン選手などに有効と考えられていますが、実は持久力をつけることは間接的に筋肥大とも関係しています。
なぜなら低重量トレーニングで筋持久力がつくことで、高重量でのレップ数アップにもつながるからです。
今までは7回までしか挙上できなかったのが持久力がついたことで8回、9回とあげられるようになり、結果的に筋肥大へとポジティブな効果をもたらしているということです。
④普段と違った刺激を与えられる
続いて4つ目のメリットが、低重量でトレーニングを行うことで普段と違った刺激を与えられることです。筋トレを始めた当初はどんどん扱える重量が上がり、比例して見た目の変化も実感することができます。
しかし扱える重量はある程度で止まって停滞期に陥りますし、同じ重量でばかりトレーニングをしていても身体は慣れてしまいます。
これはベンチプレスが40kg→100kgまでは短期間で成功できても100kg→110kgがいつまで経っても持ち上げることができないことをイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。
人間の体は同じ刺激ばかりを与えていると慣れてしまいます。そこで有効なのが、低重量でのトレーニングです。いつもは80kgで10回×3セットのベンチプレスをしていたのに、急に50kgで20回×3セットに変更すると体がびっくりしてマンネリを打破することができるのです。
これはもちろんある程度高重量を扱える方だからこそ効果的な手法なのですが、停滞やマンネリを感じている方はぜひ試してみましょう。いつもと違った強烈な筋肉痛を感じることができるはずです。
⑤最後まで追い込むことができる
最後5つ目のメリットは、低重量でトレーニングをすることで最後まで追い込むことができる点です。高重量を扱ったトレーニングでもある程度筋肉に刺激を与えることができますが、より追い込むという意味では低重量のほうが適しています。
なぜなら、軽い重量であれば対象の筋肉にピンポイントで効かせやすくなるからです。
そのため『なんとなく追い込みが足りない』と感じる方は追い込みを目的として最後に低重量でのトレーニングを取り入れてみることをオススメします。
軽重量で追い込むテクニックに関してはたくさんの方法があるため、次章で詳しく解説していきます。
低重量で追い込むための筋トレテクニックを徹底紹介!
低重量でトレーニングを行うメリットを理解できたところで、実際にオススメなテクニックをいくつか紹介していきます。取り入れることで一気にトレーニングの幅が広がるので、まずはいろいろ試してみましょう。
ハイレップストレーニング
ハイレップストレーニングとは、低重量×高回数で行うトレーニング方法です。低重量でも筋肥大ができる理由で説明した通り、科学的刺激を与えることで筋肉を成長させることを目的としています。
ハイレップストレーニングは高回数行うトレーニングですが、具体的な回数としては20~30回を目安に設定しましょう。
注意点としては、軽い重量を扱っているからといって雑なフォームで行ってしまうことです。ハイレップストレーニングでもっとも大切なこととしては「いかに対象筋肉を緊張させ続けるか」のため、常に対象部位へと負荷を乗せ続けることを重視しましょう。
インターバルを短く設定する
低重量で追い込むためには、インターバルを短く設定しましょう。なぜなら、通常のトレーニングと同じように60秒~90秒の休憩をとってしまうと追い込みきれないからです。
低重量のトレーニングでは基本的に科学的刺激を狙っていますが、長いインターバルをとってしまうと筋肉内の環境も改善されてしまいます。
そのため、セット間で筋肉が完全に回復する前に次のセットを始めましょう。扱う重量や種目にもよりますが、具体的なインターバル時間としては20~30秒程度がオススメです。
スロートレーニング
スロートレーニングとは、その名の通り動作をゆっくりと行うトレーニングテクニックです。「スロトレ」と呼ばれ、自重トレーニングや女性に人気な方法ですが、低重量のウェイトトレーニングでも効果的です。
スロートレーニングのやり方は、筋トレの動作を常にゆっくりと行います。種目にもよりますが、基本的には一つの動作に対して5秒前後の時間をかけていきましょう。
スクワットを行うとしたら5秒かけてしゃがみ、5秒かけて起き上がるイメージです。そしてスロートレーニングでも常に対象部位へと負荷を乗せた状態にしてください。
また、低重量のトレーニングでは高回数行うことが多かったですが、スロートレーニングの場合は10回前後でも十分負荷をかけることができます。
動作をゆっくりすることで不安定になりやすいため、バランスを崩さないように気をつけましょう。
普段は高重量でガンガントレーニングを扱っている方でもスロートレーニングを取り入れているため、停滞期を打破するためにもオススメです。
エキセントリックトレーニング
エキセントリックトレーニングとは、いわゆるネガティブ動作で負荷を与えるトレーニングテクニックです。
筋トレはエキセントリック(ネガティブ)動作とコンセントリック(ポジティブ)動作、2つの動きによって構成されています。
大胸筋を鍛える際の人気種目であるベンチプレスで例えるとバーベルを下ろす動作がエキセントリック、持ち上げる動作がコンセントリックとなります。
基本的にエキセントリックでは筋肉に対してストレッチ、コンセントリックでは収縮の刺激を与えることができるため、対象部位に対してさまざまな負荷を与えることができるのです。
そして通常、エキセントリックは高重量で行うほうが効果的です。
これもベンチプレスを例に考えてみましょう。
高重量でベンチプレスをする場合
- バーベルを下ろす動作(エキセントリック)
- バーベルを持ち上げる動作(コンセントリック)
だと前者のほうが簡単ですよね。
そのため、この動画のようにエキセントリックトレーニングは高重量を扱い、耐えながら動作を行う際に利用されています。
ただし、高重量よりは効果が落ちますが低重量でもエキセントリックトレーニングは可能です。
具体的には、ベンチプレスをする際に3秒かけて耐えながらバーベルを下ろし、1秒かけて一気に挙上します。この動作を10~15回繰り返すことで、低重量でも十分負荷を与えることができます。
より効果的にするため、ボトムポジション(バーベルが大胸筋に着く手前)で一度止め、反動を利用しないようにしましょう。
コンセントリックトレーニング
https://www.instagram.com/p/BjYOnWwAjVu/?hl=ja&tagged=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB
コンセントリックトレーニングとは、エキセントリックトレーニングの逆バージョンで、コンセントリック(ポジティブ)動作で負荷を与えることを目的としています。
エキセントリックトレーニングは高重量を扱ったほうが効果的だと説明しましたが、コンセントリックの場合はむしろ低重量のほうが効果的です。
なぜなら、コンセントリックトレーニングは収縮を狙っているからです。あまり高重量だと筋肉が収縮するまで動作を行えまぜんが、低重量であれば問題ありません。
具体的には動画のようなコンセントレーションカールやレッグエクステンション、ケーブルクロスオーバーなどの収縮種目に向いています。
レッグエクステンションを行う場合ですと、大腿四頭筋が完全に収縮した状態(膝から下が地面と平行)で3秒キープし、1秒で下ろしていきましょう。この動作を15回を目安に繰り返すことで、大腿四頭筋が燃えるように熱くなるはずです。
エキセントリックトレーニングではエキセントリック動作自体をゆっくりと行いましたが、コンセントリックの場合は収縮してから3秒停止することで強い刺激を与えることができます。
ドロップセット法
ドロップセット法とは、同じ種目でインターバルを取らずに重量だけ下げていくトレーニング方法です。
通常のトレーニングであれば回復をさせるために60~90秒程度のインターバルが必要ですが、ドロップセット法では重量を徐々に下げていくため、インターバルなしでも連続トレーニングが可能となります。
そのため短時間で追い込みたい場合や最後の追い込みとしてかなり有効です。
また、大腿四頭筋や大胸筋などの大筋群の場合は最初のセットである程度の重量を扱わなければなりませんが、三角筋や上腕二頭筋であれば低重量スタートで十分追い込むことができます。
とくにサイドレイズやアームカールなどのアイソレーション(単関節)種目であれば10kg以下のダンベルを利用したドロップセットでかなりハードなトレーニングが可能です。
回数は15回を目安に、最低でも3セット以上は行うようにしてください。
また、より効果的に効かせるために
- インターバルの時間は極力取らない
- 一回一回の動作を丁寧に行う
を心がけましょう。
もしジムが空いている場合は、あらかじめドロップセットで使用するダンベルをすべて用意してからトレーニングをスタートさせると手間がかかりません。
スーパーセット法
スーパーセット法とは、拮抗筋(裏表の筋肉)をインターバルを挟まずに連続して鍛える方法です。違う部位を連続して鍛えることで、短時間で効率よく鍛えることができます。
体の中でメインとなる拮抗筋は
- 上腕二頭筋と上腕三頭筋
- 大胸筋と広背筋
- 大腿四頭筋とハムストリングス
などがあるため、これらの筋肉を連続で鍛えていきます。
動画のようにアームカール(上腕二頭筋)とスカルクラッシャー(上腕三頭筋)でスーパーセット法を組む場合は
アームカール→スカルクラッシャーで1セットとし、これを3セット以上繰り返していきましょう。セット間のインターバルは60秒前後とって構いません。
具体的な回数は鍛える部位や重量にもよりますが、15回を目安に行ってください。
ノンロックトレーニング
ノンロックトレーニングとは、関節をロックさせずに行うトレーニングテクニックです。関節のロックとは、関節が伸びきった状態を指します。
トレーニング中に関節でロックをさせると、対象部位から負荷が抜けてしまいます。なぜなら、重量を関節で受け止めているからです。
そこでノンロックでトレーニングを行うことで、常に筋肉に負荷をかけ続けることができるのです。
ノンロックトレーニングは高重量で行うと危険なため、むしろ低重量トレーニングとの相性は抜群です。
ただし、重量が低い代わりに15~20回を目安に行ってください。徐々に筋肉が熱くなり、パンプアップしてる感覚をつかめるはずです。
まとめ
今回は低重量トレーニングのメリットと追い込むためのテクニックに関して細かく解説してきました。最後に重要な点をまとめておくので、ぜひ参考にしてみてください。
低重量で筋肥大ができる理由
- 筋肉には低重量に反応する部位がある
- 低重量トレーニングでは科学的刺激を与えることができる
低重量でトレーニングをする5つのメリット
- 関節への負荷が少なく、怪我を予防できる
- マッスルコントロールがうまくなり、対象部位へと効かせられるようになる
- 筋持久力がつき、関節的に筋肥大へと好影響を及ぼす
- 普段と違った刺激を与えられ、停滞期を打破できる
- 最後まで追い込むことができる
低重量で追い込むためのテクニック
- ハイレップストレーニング
- インターバルを短く設定する
- スロートレーニング
- エキセントリックトレーニング
- コンセントリックトレーニング
- ドロップセット法
- スーパーセット法
- ノンロックトレーニング
今回紹介してきたように、やり方によっては低重量でも筋肥大は狙えます。ただし、やはり高重量を扱えたほうが効果的なため、できるのであれば高重量、低重量を組み合わせながらマンネリ化を防ぎましょう。
そして低重量で追い込むテクニックもたくさんあるため、まずは試してみることをオススメします。高重量が扱えないからといってボディメイクを諦めずに、理想のカラダを手に入れましょう!