『最近お尻が垂れてきた…』
『女優さんのようにプリッと上がった尻が欲しい…』
このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。たしかに年齢とともにお尻は下がっていきますし、女性であれば誰しも綺麗に引き締まったお尻に憧れますよね。
とはいえ、どうしたらヒップアップできるのかがよくわからない、という方がほとんどだと思います。
そこでこの記事では、女性がお尻に関して感じているお悩みを、年間1,000件以上のセッションをこなしてきたボディメイクのプロの観点から解決していきます。
具体的には
- ヒップアップに筋トレが有効な理由
- お尻の筋肉の構造と役割
- 自宅で手軽にできるヒップアップにオススメな筋トレ
の順に、重要な点に絞って解説していきます。
内容はわかりやすくまとめていますし、理想のお尻を手に入れるための手助けとなりますので、まずはご一読を!
この記事の目次
ヒップアップしたいのであればお尻の筋トレをしよう!
『ヒップアップをしたいだけど、何をすればいいかわからない』
このような疑問を持っている方は多いかと思います。結論からいってしまうと、その答えはお尻の筋トレです。
なぜヒップアップにお尻の筋トレが効果的なのか、まずはその理由を解説していきます。
加齢とともにお尻が垂れてくる理由
『若い頃はまだプリッとお尻が上がっていたのに、年齢とともに何だか垂れてきた…』
こうした現象を実感している方は多いのではないでしょうか。事実、何も対策をしていなければ、加齢とともにお尻は垂れてしまいます。
なぜなら、お尻の筋肉量が低下するからです。
お尻がプリッと上がっているのは、お尻の筋肉のおかげです。
若い頃は基礎代謝量も高く、運動量も多いためほおっておいても筋肉量が維持されています。
しかし、何もしなければ筋肉は減ってしまうのです。そのためお尻の筋肉が減り、重力に逆らえずに徐々に垂れてくるというわけです。
つまり加齢とともにお尻が垂れてくる原因は、お尻の筋肉量の低下ということができます。
POINT
・お尻がプリッとあがっているのは、筋肉のおかげ。
・年齢とともに、筋肉はへってしまう。
・つまり、加齢とともにお尻も垂れてくる。
有酸素運動よりも筋トレをするべき理由
よくヒップアップを目的として、ランニングやスイミングなどの有酸素運動を行っている方がいます。
これは単純にダイエットが目的なのあれば効果的なのですが、実はヒップアップを目的とするならばあまりオススメはできません。
なぜなら、有酸素運動ではお尻をピンポイントで鍛えるのは難しいからです。
ランニングでもお尻の筋肉は使用されていますが、ヒップアップをするとなると物足りません。
その点お尻の筋トレでは、ピンポイントでお尻を鍛えることができるため、効率よくヒップアップさせていくことができるのです。
お尻の筋トレで得られる3つの効果
お尻の筋トレをすることで、もちろんヒップアップをすることができます。
しかし、実はお尻を鍛えることは他にもたくさんのメリットにつながるため、3つの効果を紹介していきます。
①見た目の変化
まず1つ目の効果は、やはり見た目への変化です。お尻の筋トレをすることで筋肉が発達し、丸みのあるプリッとしたヒップが手に入ります。
さらに、ヒップがアップすることでウェストとお尻の差が強調され、キュッとしたくびれを作ることもできます。
つまり、お尻を鍛えることは単純にヒップアップするだけではなく、メリハリのある女性らしいボディラインを作ることもできるのです。
②筋トレの効果アップ
続いて2つ目の効果は、筋トレの効果自体がアップするという点です。たとえば、お尻を鍛える際の代表種目としてはスクワットがあげられます。
慣れない状態でスクワットを行っても、お尻の筋力が弱いためうまくできません。しかし、お尻を鍛えていくことで筋力や柔軟性がアップします。
結果としてスクワットでより重い重量を扱えたり、より深くしゃがめるようになったりします。つまりお尻を鍛えて筋力がアップすると、他のトレーニング種目でもパフォーマンスがアップし、相乗効果的に鍛えていくことができるのです。
③身体の機能改善
最後3つ目の効果としては、身体の機能改善があげられます。
身体の機能改善とは、具体的には
- 腰痛
- O脚
- X脚
の改善です。
お尻は人間の体の中でも大きな筋肉であり上半身を支えるのに大切な役割を担っています。そのためお尻の筋力が弱いと体を上手に支えられず、腰への負担が強まり腰痛の原因となってしまいます。
また、女性によく見られるO脚やX脚というのも、お尻の筋肉が弱かったりバランスが悪かったりすることが原因の一つとされています。
お尻で体を支えられるようになると歩き方や立ち姿勢までガラッと改善されるため、鍛えておいて損はありません。
効果的にヒップアップするにはお尻の筋肉を知ろう!
ヒップアップをするためにいかにお尻の筋トレが効果的か説明してきました。
続いて実際にお尻の筋トレを紹介する前に、『そもそもお尻の筋肉ってなに?』といった基礎的な情報を解説していきます。
お尻の筋肉のことを知らなくとも、筋トレは可能です。
しかし、お尻の筋肉が
- どのように構成されているか
- どこからどこまで付着しているか
- どのような役割を担っているか
といったことを理解することは、筋トレで成果を出すための近道となるのです。
そのため、まずはお尻の筋肉についてわかりやすく紹介していきます。
また、一概にお尻の筋肉といっても
- 大臀筋(だいでんきん)
- 中臀筋(ちゅうでんきん)
- 小臀筋(しょうでんきん)
の3つに分類されるため、それぞれの特徴を見ていきましょう。
お尻の表層部に位置する大臀筋
まずは大臀筋の紹介をしていきます。
大臀筋とは、お尻の中でも表層部に位置している筋肉です。
単一の筋肉の中では人体の中でもっとも大きな筋肉のため、発達すると明らかに見た目の変化を実感することができます。また、姿勢保持の役割も担っているため、美しい立ち姿勢になるためには鍛えておいて損はありません。
大臀筋の起始・停止
大臀筋の起始・停止から見ていきましょう。
起始・停止とは筋肉がどこからどこまで付着しているか、ということを表しています。
大臀筋の起始は
- 腸骨稜(ちょうこつりょう)
- 上後腸骨棘(じょうこうちょうこつきょく)
- 仙骨
- 尾骨
で、停止は
- 腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)
- 大腿骨後面(だいたいこつこうめん)
です。専門的な用語が羅列してわかりづらいと思いますので、ひとまず骨盤の後面~大腿骨の裏側まで付着していると覚えておけば問題ありません。
また、付着部位が多いため、下記のイラストを参考に具体的なイメージをしましょう。
今説明した起始・停止を近づければ大臀筋を収縮することができ、遠ざければストレッチの刺激を与えることができます。
大臀筋の役割
続いて、大臀筋の役割を見ていきましょう。
筋肉はそれぞれ機能解剖学的に役割を担っているため、それぞれの筋肉の役割を理しておくことは筋トレをする上でもかなり役立ちます。
大臀筋の主な役割としては
- 股関節の伸展(しんてん)
- 股関節の外転(がいてん)
- 股関節の外旋(がいせん)
があげられます。
膝関節の伸展とは、直立した状態で片足を伸ばしたまま後ろに上げていく動作です。そして股関節の外転とは直立した状態で片足を側方に持ち上げていく動作であり、外旋はつま先を外側に向ける動作です。
上で説明した動作を実際に行ってみると、お尻に力が入っていることを実感できるはずです。
また、大臀筋は股関節が外旋した状態で伸展すると、より使用されやすくなります。
そのため、のちほど紹介するスクワットではつま先を少し外側に向けた状態(股関節の外旋位)で動作を行うと、より大臀筋の関与が高まります。
お尻の外側に位置する中臀筋
続いて中臀筋の説明をしていきます。
中臀筋とは、お尻の中でも外側に位置している筋肉です。一部は大臀筋に覆われていますが、基本的には大臀筋よりも上に位置しています。
外側に付着しているため、鍛えることでプリッと盛り上がったお尻を手に入れることができるでしょう。また、O脚やX脚の原因として中臀筋が弱いことも考えられるため、大臀筋とともに立ち姿勢の改善にも効果があります。
中臀筋の起始・停止
中臀筋の起始・停止を見ていきましょう。
中臀筋の起始は
- 腸骨翼(ちょうこつよく)
- 腸骨稜(ちょうこつりょう)
- 臀筋腱膜(でんきんけんまく)
で、停止は
- 大腿骨の大転子の先端
- 大腿骨の大転子の外側面
です。なにやらまた難しい用語が出てきましたが、お尻のちょうど外側に付着している筋肉ということだけを把握しておけば問題ありません。
また、言葉だけではわかりづらいのでイラストを載せておきます。
中臀筋の役割
続いて、中臀筋の役割を見ていきましょう。
中臀筋の主な役割は
- 股関節の外転
- 股関節の屈曲、伸展
- 股関節の外旋、内旋
です。
この中でもメインは股関節の外転動作のため、足を外側に開くヒップアブダクションといった種目で鍛えることができます。
中臀筋は骨盤を支えるために大きな役割を担っており、歩行時にも影響を及ぼします。中臀筋が弱いと「トレンデンブルグ症候群」と呼ばれる現象を発症する可能性があります。
これは歩行時に骨盤が横揺れを起こし、片側のお尻が落ちてしまう状況です。トレンデンブルグ微候になると歩行時に転倒しやすくなったり、関節を痛める原因となったりしてしまいます。
また、実はトレンデンブルグ微候は自覚症状がなくともなっている方や、予備軍の方が多いのです。街中でも多くの方がこのような歩き方をしているため、日頃から中臀筋を鍛えて、対策をしておきましょう。
内側から体を支える小臀筋
最後に小臀筋の解説をしていきます。小臀筋とは中臀筋の深部に位置する、インナーマッスルです。
大臀筋や中臀筋のようなアウターマッスルに比べると、発達することで見た目へ大きな変化を及ぼすことはありません。
しかし、中臀筋と協働することが多いため、鍛えることでトレンデンブルグ現象の対策など、機能改善に大きな役割を果たします。
小臀筋の起始・停止
小臀筋の起始・停止を見ていきましょう。
小臀筋の起始は
- 腸骨翼(ちょうこつよく)の殿筋面(でんきんめん)
で、停止は
- 大腿骨の大転子の全面
です。
中臀筋の奥にあるため、基本的には付着部位も似ています。大臀筋や中臀筋のように自分で触ることができないため、筋トレ中にはなかなか意識できません。こちらもイラストを載せておきますので、写真でイメージしましょう。
小臀筋の役割
続いて、小臀筋の役割を見ていきましょう。
小臀筋の主な役割は
- 股関節の外転
- 股関節の内旋(わずかに)
です。基本的には中臀筋と同じ役割を担っているため、股関節の外転が主な働きです。そのため、中臀筋を鍛える際に有効なヒップアブダクションなど、股関節が外転される動作であれば小臀筋も同時に鍛えることができます。
女性がヒップアップするのにオススメな筋トレ5選
お尻の筋肉の構造を理解できたところで、実際にヒップアップにオススメな筋トレを5つ紹介していきます。今回は基本的に自宅でできるトレーニング種目を紹介しているため、誰でも簡単に行うことができます。
ただし、実は自重トレーニングよりもジムでしっかりと負荷をかけた方が効率よくお尻を引き締めることが可能なため、自宅での筋トレ慣れてきたらジムへ通うことをオススメします。
①自重スクワット
まず一つ目の種目は、自重スクワットです。スクワットは数あるトレーニング種目の中でも「キングオブエクササイズ」と呼ばれているほど効果的な種目です。
また、スクワットは基本的に太ももからお尻まで下半身をまんべんなく鍛えることができるのですが、やりかたによっては
- 太もも側
- お尻側
と刺激が入る部位を分けることができます。
そこで今回は、お尻側を中心的に鍛えられるフォームを解説していきます。数あるお尻の筋トレ種目の中でもスクワットはもっとも高重量を扱えるため、とにかくお尻に強い刺激を与えたいかたには必須な種目です。
スクワットの正しいフォーム
まずはスクワットの正しいフォーム見ていきましょう。
①足を肩幅より広めに開き、つま先をまっすぐまたは少し外側に向けます。この時、背中が丸まらないようにしっかりと胸を張りましょう。
②両手は胸の前で組むか、前方にまっすぐ上げましょう。
※ここがスタートポジションとなります。
③股関節から折り曲げるようにしてうしろに下がっていき、お尻と地面が平行になったら一度止まります。この時に、お尻が使われていることを意識しましょう。
④ゆっくりと起き上がっていき、スタートポジションまで戻ります。
この動作を繰り返していきましょう。
回数は8~12回を目安に、最低でも3セットは行うようにしてください。
また、もし負荷が足りない場合は動作をゆっくり行うか、もしくはリュックに2リットルペットボトルなどを入れて加重しましょう。
スクワットのコツと注意点
続いて、スクワットを行う上でお尻にうまく効かせるコツと注意点を3つ解説していきます。
①膝を前に出さない
まず一つ目が、動作中に膝を前に出さないという点です。基本的にスクワットでは、膝が前に出ると太もも側に、後ろに下げていくとお尻側に負荷をかけることができます。
また、膝が前に出過ぎてしまうと膝関節を痛める原因ともなるため、なるべく膝は前に出さないようにしてください。
具体的に膝を前に出さない方法としては、股関節から後ろに引いていくことです。これは股関節のヒンジ動作と呼ばれるのですが、スクワットではヒンジが上手にできるどうかが重要となります。
膝を曲げることを意識してしゃがむとヒンジがうまく使えないため、股関節を曲げていくと同時に膝を曲げることを意識しましょう。
椅子に座る動作でしゃがんでいくイメージで行うとヒンジを使いやすくなります。
②重心はかかと側に乗せる
続いて2つ目が、重心をかかと側に乗せるという点です。
通常、スクワットは足の真ん中に重心を乗せることがセオリーとされています。
しかし、よりお尻に効かせるためにはかかと側に重心を乗せることをオススメします。なぜなら、つま先側に重心を乗せると太ももに、かかと側に重心を乗せるとお尻やモモ裏に効かせやすくなるからです。
とくにしゃがんだ後、切り返す際にかかとで地面を押すとお尻を使用している感覚を掴みやすくなります。
ただし、かかと側に重心をかけすぎてうしろに倒れないよう十分注意してください。
③しっかりと胸を張る
最後3点目が、動作中にしっかりと胸を張るという点です。
なぜなら背中が丸まった状態でスクワットを行うと、お尻に上手に負荷を乗せられず、さらに腰への負担が強くなってしまいます。
そのためスタートポジションでしっかりと胸を張り、動作中は常にその姿勢をキープするようにしてください。
スミスマシンを利用したローバースクワット
スクワットで膝が前に出ないように股関節のヒンジが大切だと説明してきました。とはいえ、この股関節のヒンジは予想以上にかなり難しく、慣れるまでは時間がかかります。
実際、私がトレーナーとして活動していた頃もなかなか上手にできない方が大半でした。そこで、股関節のヒンジが自然と行えるスクワットを紹介していきます。
このスクワットはスミスマシンというマシンが必要なためジムに通う必要がありますが、怪我のリスクを抑えてスクワットの動作を覚えることができるオススメな種目です。
スミスマシンを利用したローバースクワットの正しいフォーム
まずは、スミスマシンを利用したローバースクワットの正しいフォームを解説していきます。
②肩幅を目安にバーを順手で握り、下からくぐります。
③肩甲骨をしっかり寄せ、肩の下あたりでバーを担ぎます。担ぐ位置が低いためローバー呼ばれています。
④足を肩幅に開き、体に対して少しだけ前に出しておきます。
※ここがスタートポジションです。
⑤お尻を下ろすようにしてゆっくりとしゃがんでいきます。この時、股関節のヒンジを意識しましょう。
⑥お尻と地面が平行になったら一度止め、かかとで地面を押すようにしてスタートポジションまで戻していきます。
この動作を繰り返していきましょう。回数は8~12回できる重さで、最低でも3セットを目安に行ってください。
スミスマシンであれば自重スクワットよりも負荷を細かく変えられますし、軌道も決まっているため怪我のリスクも低くなります。
そのためジムに入会している方や、ジムの入会を考えている方はぜひ試してみましょう。
スミスマシンを利用したローバースクワットのコツと注意点
続いて、スミスマシンを利用したローバースクワットを行う上でお尻にうまく効かせるコツと注意点を3つ解説していきます。
①足の位置を体よりも前にセットする
まず1つ目が、足の位置を体に対して前方にセットするということです。なぜなら、足を体から遠くにセットすることで膝の関与が減り、自然と股関節のヒンジを使いやすくなるからです。
実際にスミスマシンを利用してみればわかりますが、足を前に置くとしゃがむ際にお尻やモモ裏に刺激が入りやすくなります。
そのため、バーに対して体を預けるイメージで動作を行いましょう。ただし足を遠くに置きすぎるとバランスを崩しやすくなるため、目安としては靴1足~2足分の距離に止めておきましょう。
②かかと側に力を入れる
続いて2つ目が、動作中にかかと側に力を入れる点です。通常の自重スクワットでも紹介しましたが、お尻に刺激を与えるためにはかかと側に力を入れましょう。
スミスマシンを利用することでバランスを取りやすいため、自重スクワットよりも強くかかと側に重心をかけることができます。
常にかかと側で地面を押すようにし、お尻を利用している感覚をつかみましょう。
③バーを乗せる位置は低めにする
最後3つ目は、バーを乗せる位置を低めに設定するという点です。
なぜならバーを首側など高い位置で担ぐ(ハイバー)と、お尻ではなく太もも側に負荷が乗りやすくなってしまうからです。この種目はスミスマシンを利用したローバースクワットのため、なるべく低い位置でバーを担ぐようにしてください。
具体的にはしっかりと肩甲骨を寄せ、その上に乗せる意識で担ぎましょう。
②ヒップリフト
続いて2つ目は、ヒップリフトというトレーニング種目を紹介していきます。ヒップリフトは、その名の通りお尻を上にもちげていくトレーニングであり、自宅でも簡単に行えるオススメな種目です。
負荷自体は弱いのですが、
- 筋トレに苦手意識を持っている
- まずは簡単な種目から行いたい
という方にはオススメな種目です。
ヒップリフトの正しいフォーム
まずは、ヒップリフトの正しいフォームを解説していきます。
②膝を90度を目安に曲げましょう。
③両手を真上に向かってまっすぐ上げるか、体の横に添えておきます。この時、しっかりとお腹に力を入れて腹圧を高めましょう。
※ここがスタートポジションです。
④かかとで地面を押し上げるようにして、お尻を上げていきます。
⑤お尻が最大限上がったら一度停止します。この時、お尻が収縮していることを意識しましょう。
⑥ゆっくりとお尻を下ろしていき、地面に着く手前で切り返していきます。
この動作を繰り返していきましょう。まずは8~12回を目安に、最低でも3セットは行ってください。余裕が出てきたら15回~20回と、回数を増やして負荷を高めましょう。
ヒップリフトのコツと注意点
続いて、ヒップリフトを行う上でお尻にうまく効かせるコツと注意点を3つ解説していきます。
①膝をしっかりと曲げる
まず1つ目が、スタートポジションでしっかりと膝を曲げるという点です。
なぜなら、ヒップリフトは膝の角度によって可動域が決まるからです。フォームの練習の際は膝の角度が浅くても構いませんが、しっかりとお尻に効かせたい場合はある程度膝を曲げるようにしましょう。
具体的には90度を目安に曲げるようにしてください。
②かかとで地面を押し上げる
続いて2つ目が、かかとで地面を押し上げるという点です。他の種目にも共通していることですが、お尻に効かせたいのであれば重心は常にかかとに置きましょう。
スクワットは立位で行うため、かかとに力を入れすぎるとバランスを崩す恐れがありました。
しかし、ヒップリフトは寝た状態で行うためバランスを崩す心配はありません。そのため、動作中は常にかかとに力を込めるようにしてください。
③お腹に力を入れて腰を反らない
最後3つ目は、腹圧をしっかりとかけて腰が反らないようにするという点です。ヒップリフトをする際にありがちなのが、お尻を高く上げることに意識が向き過ぎてしまって腰を反ってしまうことです。
しかし、腰を反った状態でお尻を上げていくと腰痛の原因となってしまいます。
そのため、動作中は常にしっかりとお腹に力を入れ、腰が反らないように注意してください。体幹部を固定し、膝から背中までが一直線になるよう心がけましょう。
③ヒップスラスト
続いて3つ目は、ヒップスラストと呼ばれる種目を紹介していきます。先ほど紹介したヒップリフトよりも可動域が広くとれるため、ステップアップとしてオススメな種目です。
さらに大臀筋だけではなくて中臀筋にも効かせることができるため、効率よくお尻全体を鍛えていけます。私が女性のクライアントを指導していた際もお尻に効いていると実感している方が多く、大変人気な種目でした。
ヒップスラストの正しいフォーム
まずは、ヒップスラストの正しいフォームを解説していきます。また、一般的にヒップスラストはジムでバーベルを利用して行うのが一般的です。
もちろんジムで行ったほうが強い負荷をかけられて効果的なのですが、今回は自宅でも簡単に行える方法を紹介していきます。
②椅子にもたれかけるようにして地面に座ります。この時椅子には肩甲骨の下を目安にしっかりと乗せ、足は肩幅を目安に開きましょう。
③足を体から離し、膝を90度に曲げます。つま先を軽く外側に向けておきましょう。
※ここがスタートポジションです。
④かかとで地面を押し上げるようにして、お尻を持ち上げていきます。
⑤お尻が最大限持ち上がったら一度止め、収縮を意識します。
⑥ゆっくりとお尻を下ろしていき、地面に着く手前で切り返していきましょう。
この動作を繰り返していきましょう。まずは8~12回を目安に、最低でも3セットは行ってください。余裕が出てきたらダンベルや水の入った2リットルペットボトルなどで加重し、負荷を高めていきましょう。
ヒップスラストのコツと注意点
続いて、ヒップスラストを行う上でお尻にうまく効かせるコツと注意点を3つ解説していきます。
①つま先を外側に向ける
まず一つ目が、つま先を外側に向けた状態で動作を行うという点です。つま先を外側に向けることで股関節が外旋するのですが、これは大臀筋、中臀筋の役割の一つです。
つまり、つま先を外側に向けることで自然とお尻に力が入り、より効きやすくなるのです。
ただし、つま先を外側に向けすぎて膝も回旋してしまうと膝関節に負荷がかかってしまうため、あくまでも少しだけ向けるようにしましょう。具体的には外側に約30度ほどです。
②お尻の収縮を意識する
続いて2点目が、お尻の収縮を意識するという点です。ヒップスラストでは、お尻が収縮された際にもっとも刺激を与えることができます。
そして最大収縮はお尻が最大限上がった状態で行われるため、お尻を上げきった際に毎回1~2秒停止し、ぎゅーっとお尻が収縮されていることを意識してから下ろしていきましょう。
③太ももに刺激が入る場合は足の位置を遠ざける
最後3点目が、足の位置の調節です。ヒップスラストを行う際にもっとも多いのが、お尻ではなくて太ももに刺激が入ってしまうことです。
これは膝関節が関与することが原因とされています。太ももの筋肉である大腿四頭筋は膝の曲げ伸ばしによって使われるのですが、ヒップスラストでお尻を上げる際に膝が動いている可能性が高いです。
対策としては、足の位置を遠くにセットしましょう。そうすることで膝の動きが制限され、集中してお尻にのみ効かせることができます。また、動作中はなるべく股関節だけを動かすことをイメージしましょう。
④ヒップアブダクション
続いて4つ目に紹介するのは、ヒップアブダクションと呼ばれる種目です。ヒップアブダクションとは、足を開く動作によってお尻を鍛えていくトレーニングです。
これは中臀筋の主な働きである股関節の外転動作そのもののため、プリッとしたお尻を作る際に有効な種目となります。
また、ジムでもヒップアブダクション専用のマシンがあるのですが、自宅でも簡単に行うことができるため紹介していきます。
ヒップアブダクションの正しいフォーム
まずは、ヒップリフトの正しいフォームを解説していきます。自宅でできるヒップアブダクションには自重で行うものとトレーニングバンドを利用するものがあります。
自重では負荷が弱いため、今回はトレーニングバンドを利用したヒップアブダクションを紹介していきます。
②左右の足を揃え、頭から足までを一直線にします。横になりながらテレビを見ているイメージです。
③上にある足だけを上げていきます。
④最大限上げきったら一度停止し、中臀筋(お尻の外側)に刺激が入っていることを意識します。
⑤ゆっくりと足を下ろしていき、負荷が抜ける直前で切り返していきます。
この動作を左右繰り返していきましょう。バンドの強度にもよりますが、最低でも20~30回を目安に、3セットは行うようにしてください。
ヒップアブダクションのコツと注意点
続いて、ヒップアブダクションを行う上でお尻にうまく効かせるコツと注意点を3つ解説していきます。
①最大収縮を意識する
まず1つ目が、収縮を意識するという点です。自宅で行うヒップアブダクションでは、基本的にジムのマシンよりも負荷が弱まってしまいます。そのため収縮を意識して刺激を与えていきましょう。
足を最大限開いたところが中臀筋にもっとも刺激が入るため、1~2秒停してから切り返していきましょう。
そしてトレーニングバンドの特性として伸びれば伸びるほど負荷が強まるため、ヒップアブダクションでなるべく足を開くように意識してください。
②負荷を抜かない
続いて2つ目が動作中に負荷を抜かないという点です。ヒップアブダクションではバンドを利用しているため、バンドの張力が弱くなると中臀筋から負荷が抜けてしまいます。
収縮を意識するのも大事ですが、動作中に負荷が抜けないようにするのも大切です。
具体的には足を上げた後、下ろしていく際にバンドから張力が抜けきる手前で切り返していきましょう。
動作中は常に中臀筋に負荷が乗っていることを意識してください。
③体を一直線に保つ
最後3点目は、体を一直線に保つという点です。ヒップアブダクションを行う際にありがちなのが、回数が後半になるにつれて徐々に体がくの字になってしまうことです。
体が曲がってしまうと足を高く上げにくくなり、中臀筋への負荷も弱くなってしまいます。そのため、動作中は常に体をまっすぐに保つことを意識してください。
⑤ヒップエクステンション
最後5つ目に紹介するのは、ヒップエクステンションと呼ばれる種目です。ヒップエクステンションとは、足を後方に上げることでお尻の付け根を鍛えていく種目であり、綺麗なヒップラインを作るのにオススメな種目です。
ヒップエクステンションの正しいフォーム
まずは、ヒップエクステンションの正しいフォームを解説していきます。また、ヒップエクステンションには立って行うものと四つん這いで行うものがありますが、今回は後者のフォームを解説していきます。
②片方の膝を、地面か
ら軽く浮かします。
※ここがスタートポジションです。
③膝を伸ばしながら、足の裏を天井に向けるようにしてあげていきま
す。
④最後は股関節から後ろに上げるようにして大臀筋を収縮させ、一度停止します。
⑤ゆっくりとスタートポジションまで戻していき、膝を内側に入れます。この時に大臀筋が伸びていることを意識しましょう。
⑥大臀筋がストレッチしたら、再度足を上げていきます。切り返す際に膝が地面につかないようにだけ注意してください。
この動作を繰り返していきましょう。片足ずつ20~30回を目安に、最低でも3セットは行うようにしましょう。
ヒップエクステンションのコツと注意点
続いて、ヒップエクステンションを行う上でお尻にうまく効かせるコツと注意点を4つ解説していきます
①膝をゆっくりと伸ばしていく
まず一つ目が、膝をゆっくりと伸ばしていくという点です。勢いよく足を上げてしまうとお尻から負荷が抜けてしまう可能性があるため、常にモモ裏とお尻に負荷を感じながら、ゆっくりと上げていきましょう。
②膝を地面につけない
続いて2つ目が、膝を地面につけないという点です。ヒップエクステンションを行う場合は、常に膝が地面から浮くようにしてください。
なぜなら、膝が地面に着いてしまったら大臀筋から負荷が抜けてしまうからです。そのため、とくに膝を下ろしていく際は動作をゆっくりと行い、地面に着く前に切り返していきましょう。
③股関節の動きも意識する
続いて3つ目は、股関節の動きも意識するという点です。足を上げていく際は膝の動きばかり意識しがちですが、より大臀筋を収縮させるためには股関節の動きも大切になってきます。
なぜなら、大臀筋の主な役割には股関節の伸展動作があるからです。これは股関節を後ろに上げていく動作なのですが、ヒップエクステンションでも意識することでより効果的になります。
具体的には、足を上げきった後に足の付け根から股関節を上げることを意識しましょう。大臀筋に強い刺激を与えることができるはずです。
④ストレッチも意識する
最後4つ目は、ストレッチも意識するという点です。ヒップエクステンションは、お尻の種目の中でも数少ないストレッチで刺激を与えることができるトレーニングです。
具体的には、上げた足を下ろしていく際に膝を内側に入れることで大臀筋をストレッチさせることができます。この時に、大臀筋の起始と停止を遠ざけることをイメージしましょう。
効率よくヒップアップさせるためのトレーニングメニューを紹介!
自宅でもできるオススメな種目を紹介してきました。
しかし『筋トレのやり方はわかったけど、どの種目を何回やればいいかわからない』と疑問に感じている方も多いですよね。
そこで、実際に効率よく結果を出すためにオススメなトレーニングメニューを紹介していきます。
元トレーナーの私自身が実際に女性のお客様に指導していた内容ですので、ぜひ試してみましょう。
POF法を意識してメニューを組もう!
筋トレのメニューを組む際に意識するポイントとして重要なのが、POF法です。
POF法とはPosition Of Flexionの略であり、すべての可動域で最大負荷をかけられるように種目を組むトレーニングテクニックです。
具体的には
- 動作の中間でもっとも負荷がかかるミッドレンジ種目
- 筋肉が収縮した際にもっとも負荷がかかるコントラクト種目
- 筋肉がストレッチされた際にもっとも負荷がかかるストレッチ種目
の3つがあり、お尻の筋肉にそれぞれの種目を当てはめて刺激をすることで、効率よくヒップアップさせていくことを目的としています。
では、実際にPOF法に当てはめてお尻のトレーニングメニューを紹介していきます。
- ミッドレンジ種目→自重スクワット 8~12回×3セット
- ストレッチ種目→ヒップエクステンション 20~30回×3セット
- コントラクト種目→ヒップスラスト(ヒップリフト) 8~12回×3セット
- コントラクト種目→ヒップアブダクション 20~30回×3セット
※インターバルは40~60秒を目安にとるようにしてください。
この順番でトレーニングを行っていきましょう。もし負荷が物足りなくなってきたら加重をしたり、動作をゆっくりと行ったりして強度を高めましょう。
また、効率よくお尻を鍛えていく頻度としては、週2回~3回が適しています。毎日行っては筋肉の回復が追いつかないため、中1~2日は空けてから行うようにしてください。
まとめ
今回は自宅でヒップアップするのに効果的な方法を紹介してきました。最後に、重要な点をまとめておきますのでぜひ参考にしてください。
ヒップアップに筋トレが最適な2つの理由
- 加齢とともにお尻が垂れるのは、筋肉量の低下が原因
- 有酸素運動ではお尻をピンポイントで鍛えられないが、筋トレであれば可能
お尻の筋トレで得られる3つの効果
- ヒップアップ、くびれを強調などの見た目の変化
- お尻の筋力、柔軟性が向上し筋トレのパフォーマンスアップ
- 腰痛、O脚、X脚など、身体の機能改善
お尻を構成する3つの筋肉とその役割
- 大臀筋→股関節の伸展、外転、外旋
- 中臀筋→股関節の外転、屈曲伸展、外旋内旋
- 小臀筋→股関節の外転、内旋(わずかに)
自宅でもできるヒップアップにオススメなトレーニング5選
- 自重スクワット(スミスマシンを利用したローバースクワット)
- ヒップリフト
- ヒップスラスト
- ヒップアブダクション
- ヒップエクステンション
冒頭で説明してきたように、何も対策をしなければお尻の筋力は低下し、どんどん垂れてしまいます。
しかし、今回紹介紹介したオススメのトレーニングやコツを参考に、しっかりと正しい努力をすれば必ずヒップアップは成功します。
毎日コツコツと続けてたら結果が出るので、諦めずに綺麗に引き締まったお尻を手に入れましょう!