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「ベンチプレス」は、普段からハードにトレーニングをしている人が行うエクササイズと思っている人も多いようですが、初心者からでも積極的に取り入れてほしいフリーウエイト種目の一つです。

その一方で、動作やフォームで注意を要する点も多く、ケガなく安全で効果的に行うためには正しいベンチプレスの方法を理解しておく必要があります。

この記事の目次

BIG3人気種目。分厚く魅力的な胸筋を作る:ベンチプレスとは?

上半身の代表的なエクササイズとしてもっとも有名なのがベンチプレスです。トレーニングBIG3の一つでもあり、数あるトレーニング種目の中でも人気の高いエクササイズといえるでしょう。

厚い胸板を作りたい男性はもちろん、バストの形をキレイにしたい女性にもオススメのエクササイズです。

ベンチプレスにより得られる効果

ベンチプレスを行うことで、筋力や筋肉量を高めるだけでなくさまざまなメリットをもたらします。

上半身の大きな筋肉を複数鍛えられるため、筋肉量増加・代謝アップの効果アリ

ベンチプレスは胸の筋肉だけでなく、肩の筋肉や腕の筋肉も同時に鍛えることができるエクササイズです。そのため筋肉量が増えやすく、とくに胸の筋肉は上半身の中では大きいため基礎代謝量の向上にも効果的です。

上半身を前から見たときの見た目が良くなる


胸の筋肉の存在感は絶大です。胸が盛り上がって見えるだけで、普段カラダを鍛えているのがわかるほどです。また、胸の位置を高くする効果があり、男性も女性も胸を上に引き上げ形のいいバストを作ります。

高重量を挙げられるようになると達成感・自尊心の高まりが自信につながる

パワーリフティング競技の種目としてだけでなく、ベンチプレスだけの大会があるくらい人々を魅了するエクササイズですが、その魅力はやはり使用重量が増えた時の達成感によるものでしょう。

高重量を扱えるエクササイズなので、見た目よりも重量の向上を目指す人も多いベンチプレスですが、重いものが持ち上げられるようになることで自信がつくというのもメリットの一つといえます。

ベンチプレスにより鍛えられる筋肉・主働筋・協働筋

ベンチプレスではどのような筋肉を鍛えることができるのでしょうか。ここではベンチプレスで鍛えられる筋肉を紹介します。

ベンチプレスは多関節種目であり、多くの筋肉を一気に鍛えられる

ベンチプレスは、複数の関節が動きながら力を発揮する多関節種目(コンパウンド種目)です。そのため一度に複数の筋肉を鍛えることができます

大胸筋(胸にある筋肉)


胸の筋肉である大胸筋は、ベンチプレスにおいてメインに力を発揮する主働筋です。大胸筋は腕を内側に閉じるときや腕を上に上げるときに力を発揮します。

大胸筋上部(胸にある筋肉の上部)

大胸筋は大きい筋肉のため、細かく分けて上部と中部、下部に分けられます。ベンチプレスではバリエーションによって上部をメインに鍛えたり、下部をメインに鍛える種目があります。

大胸筋上部を鍛えることで鎖骨のすぐ下から盛り上がる大胸筋を作ることができます。

大胸筋下部(胸にある筋肉の下部)

大胸筋下部を鍛えることで、大胸筋のボリュームを増やし、厚みを作ることができます。

小胸筋(胸にある小さめの筋肉)


※Pectoralis Minorが小胸筋、Pectoralis Majorは大胸筋。

大胸筋の奥、深部に付着しているのが小胸筋です。肩甲骨の動きをコントロールしている筋肉で、ベンチプレスの動作を安定させて行う際に使われます。

三角筋前部(肩の前面にある筋肉)


大胸筋とともにベンチプレスの動作で力を発揮する協働筋の一つが三角筋です。ベンチプレスでは三角筋の中でも前部が力を発揮します。三角筋は、腕を上に持ち上げるときに力を発揮します。

上腕三頭筋(腕の裏側にある筋肉)


腕の裏側についている上腕三頭筋も協働筋の一つです。上腕三頭筋は肘を伸ばす動作の際に力を発揮します。ベンチプレスのバリエーションによっては、上腕三頭筋に強い刺激を与える種目もあります。

ベンチプレスの種類・フォームの解説


ここからはベンチプレスのさまざまなバリエーションを紹介し、フォームを解説します。

まずはベーシックなベンチプレスに慣れること

ベンチプレスには色々なやり方がありますが、まずはもっとも基本的な動作とフォームを身につける必要があります。

どの種目も注意することは同じです。エクササイズによってはフォームが崩れやすいものもありますので、まずはベーシックなベンチプレスをしっかりできるように練習しましょう。

ベンチプレスで高重量を扱うためのコツ・フォームの基本

ベンチプレスはただ寝っ転がってバーベルを持ち上げるだけのエクササイズではありません。大胸筋をより効果的に、そして高重量を扱うためには色々なポイントをしっかりチェックする必要があります。

肩甲骨を寄せて下げる(下制→内転→下方回旋)動作を覚える


初心者の人がもっとも間違いやすいポイントが肩甲骨の位置です。最初に肩甲骨の位置をしっかり意識するようにしましょう。

まず、ベンチに仰向けに寝ます。動作をするのに適した位置に移動したら、バーを握る前に肩甲骨の位置を整えましょう。

両肩を下げるように意識します(肩甲骨の下制)。次に肩甲骨を下げたままで、両方の肩甲骨を中心に寄せるようにします(肩甲骨の内転)。

この動作がきちんとキマると、首に変な緊張感がなく、胸の筋肉が伸びストレッチした感覚になるはずです。

その位置をキープし、肩甲骨が広がったりしないように注意しながら動作を行います。ベンチプレス初心者の場合はまずはここから始めてみましょう。

動作中にもこの肩甲骨の位置が難なく保持できるようになったら、今度はさらに細かく意識します。肩甲骨を下制するときに肩甲骨の下側を内側に回旋させるように意識して構えてみましょう。また、バーベルを下げるときには、この下方回旋をイメージしながら動作を行うと大胸筋への刺激が大きくなります。

※肩甲骨を寄せて胸を張り、首や肩に余計な力が入っていない状況が作れるまでは、ベンチに寝ずに鏡に向かって座りながらフォームを作って練習しましょう。

みぞおちを上げるイメージで胸を張り、軽くブリッジを作る


肩甲骨を正しい位置にすると、動作中に自然と胸が張りやすい動作を行うことができます。

大胸筋を最大限に鍛えるためには、可動域を大きくする必要があります。そのため胸を張り、腰のアーチができるよう軽くブリッジを作るようにイメージするとよいでしょう。

ウエイトの挙上時、お尻はベンチに接地させたままですが、腰の部分はぴったりベンチにつかず浮いている状態になるということです。

※お尻も上げてブリッジを作る方法もありますが、慣れない人がこのブリッジで高重量を扱うと高確率で腰・背中を痛めます。ウエイトをラックから上げるときはお尻を上げていても大丈夫ですが、上下するときはお尻をベンチにしっかり接地させましょう。

ラック時、バーを握った状態で腕がほぼまっすぐ伸びているとラックアウト時のフォームが安定しやすい

いざ動作を始めようと、バーベルをラックから外す際にも注意が必要です。バーベルが設置されている高さが低すぎると、肘を大きく曲げてバーベルを持ち上げる動作が必要になり、せっかく作ったフォームが崩れやすくなります。

バーベルを持ち上げた後に肩甲骨を意識することができる人ならいいのですが、せっかくなら最初に作ったフォームを安定させて持ち上げたいところです。

また、高重量を扱う時はバランスを崩す場合がありますので、ラックから外す際はできるだけ肘が伸びた状態で外せる高さに設定しておくようにしましょう。


ラックに乗っている時点で9割以上は腕が伸びている(数cm持ち上げればラックからバーが外せる)状態が好ましいです。

バーは指側で握り込むよりも、掌(手のひら)に重さを乗せてあげるイメージでもつ

バーの握る位置は故障を防ぐためにもしっかり覚えておいてほしいポイントです。慣れていない人はどうしても強く握ろうとして、指側でバーベルを保持してしまう傾向が強いです。指側にバーベルをもってしまうと、バーベルの重さで手首が大きく曲がり、手首へのストレスが増え故障につながる場合があります。


バーベルは掌、とくに親指の付け根あたりで保持し、前腕部の垂直線上にバーベルを持っている状態にするとよいでしょう。※画像はインクラインベンチプレスのフォームですが、握り方を参考にしてください。

動作は5つのポイントがしっかり接地している状態で行う

専門用語では、「5ポイントコンタクト」といいます。

スポーツクラブでは高重量をガンガン持ち上げている人がいます。凄いな~と思う反面、よくよく見てみるとズル(チーティングといいます)をして持ち上げていることが多いです。

具体的には、思いっきりブリッジをしてお尻を浮かせたり、つま先立ちになっていたりしています。これらのフォームはたしかに高重量を持ち上げやすくなりますが、その反面、反動を使っていたり可動域が狭くなっているなど、刺激量は多くなかったりします。そして、筋肉を痛める可能性が上がります。

基本は、後頭部・肩甲骨・お尻・右足・左足の5つポイントをしっかりベンチや床に接地させて行う方法です。初心者の方はとくにこの5ポイントをしっかり接地させて安定したベンチプレスの動作を心がけてください。

フリーウエイトバーベル・スミスマシンで行うベンチプレス

ここではバーベルやスミスマシンを使ったベンチプレスのバリエーションを紹介します。

ノーマルベンチプレス


もっとも基本的なベンチプレスの方法です。まずはこのノーマルベンチプレスを正しいフォーム・動作で行えるように練習しましょう。

やり方の概要

1.ベンチに仰向けになります。バーベルが目線の真上にくるくらいを目安に、動作をしやすい場所を確認します。足は腰幅程度に開き、しっかり床につけます。

2.手幅は肩幅よりも握りこぶし2個分外側くらい広めにしてバーを握ります(左右の肩の骨「肩峰」の距離の1.5倍までの手幅が理想)。肩甲骨の位置を修正し、正しいポジションをとったら、腕を伸ばした状態でバーベルをラックから外します。

3.バーを胸の真上に移動させたら、肘を曲げていきバーをゆっくりと下していきます。動作中、肘は横に開き、肘の真上に手首がくるようなイメージで動作を行いましょう。

4.乳首の上あたりを目安に下します。下せるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。この動作を繰り返します。

効果のある筋肉・部位

主に大胸筋を鍛えます。三角筋前部や上腕三頭筋にも刺激が入ります。

気をつけること、ケガ防止のために

どのベンチプレスでもそうですが、しっかり筋肉を刺激するのであれば、反動やブリッジなどのチーティングは行わないように気をつけましょう。上級者の場合はテクニックとして使ってもよいと思いますが、初心者が行うと刺激の低下やケガに繋がります。

参考動画

ナローグリップベンチプレス


手幅を狭くして行うベンチプレスのバリエーションです。

やり方の概要

1.ベンチに仰向けになります。バーベルが目線の真上にくるくらいを目安に、動作をしやすい場所を確認します。足は腰幅程度に開き、しっかり床につけます。

2.手幅は肩幅よりも握りこぶし1個分内側くらい狭めにしてバーを握ります。肩甲骨の位置を修正し、正しいポジションをとったら、腕を伸ばした状態でバーベルをラックから外します。

3.バーを胸の真上に移動させたら、肘を曲げていきバーをゆっくりと下していきます。動作中、脇を締めながら肘を曲げるようにしましょう。

4.乳首の上あたりを目安に下します。下せるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。この動作を繰り返します。

効果のある筋肉・部位

大胸筋の内側や上腕三頭筋をメインに鍛えます。

気をつけること、ケガ防止のために

ノーマルベンチプレスより、持ち上げられる重量が少なくなりますので、行う前に一度重量設定を確認してみましょう。

動作では、手首が反ったり肘を外側に開いてしまうことで、手首にかかるストレスが大きくなってしまいますので注意しましょう

参考動画

ワイドグリップベンチプレス

手幅を広くして行うベンチプレスのバリエーションです。

やり方の概要

1.ベンチに仰向けになります。バーベルが目線の真上にくるくらいを目安に、動作をしやすい場所を確認します。足は腰幅程度に開き、しっかり床につけます。

2.手幅は肩幅よりも握りこぶし3~4個分外側くらい広め(通常のベンチプレスをしている方が多いと思います、そのフォームよりも握りこぶし1個分ずつ左右の握りを外側にしてください)にしてバーを握ります。肩甲骨の位置を修正し、正しいポジションをとったら、腕を伸ばした状態でバーベルをラックから外します。

3.バーを胸の真上に移動させたら、肘を曲げていきバーをゆっくりと下していきます。動作中、肘は横に開き、肘の真上に手首がくるようなイメージで動作を行いましょう。

4.乳首の上あたりを目安に下します。下せるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。この動作を繰り返します。

効果のある筋肉・部位

大胸筋の外側にとくに刺激が多く入ります。

気をつけること、ケガ防止のために

手幅を広くしているため、ノーマルベンチプレスよりも下せる位置が浅くなってしまう場合があります。ムリに下げようとすると、肩へのストレスが強まりケガに繋がりますので、痛みを感じずに下せる位置までにしてムリせず行いましょう。

参考動画

インクラインベンチプレス


ベンチの角度を斜めにし、頭側を高くした姿勢で行うベンチプレスのバリエーションです。

やり方の概要

1.30~45°くらいに角度をつけたベンチに仰向けになります。足は腰幅程度に開き、しっかり床につけます。

2.手幅は肩幅よりも握りこぶし2個分外側くらい広めにしてバーを握ります。肩甲骨の位置を修正し、正しいポジションをとったら、腕を伸ばした状態でバーベルをラックから外します。

3.バーを胸の真上に移動させたら、肘を曲げていきバーをゆっくりと下していきます。動作中、肘の真上に手首がくるようなイメージで動作を行いましょう。

4.大胸筋の上部~鎖骨のあたりを目安に下します。下せるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。この動作を繰り返します。

効果のある筋肉・部位

大胸筋上部と三角筋前部に大きな刺激が入ります。ベンチの角度が大きいほど大胸筋上部と三角筋に対する刺激が増え、小さければ大胸筋中部~大胸筋上部に刺激が入ります。

気をつけること、ケガ防止のために

下す動作で肘を真横に広げてしまうと、下す位置が浅くなってしまったり動作をやりにくく感じます。肩へのストレスも高くケガにつながるので、真横ではなく若干脇を締めるようなフォームで行うとよいでしょう。

参考動画

デクラインベンチプレス


ベンチの角度を斜めにし、脚側を高くした姿勢で行うベンチプレスのバリエーションです。

やり方の概要

1.デクラインベンチに仰向けになります。バーベルが目線の真上にくるくらいを目安に、動作をしやすい場所を確認します。足は腰幅程度に開き、しっかり床につけます。

2.手幅は肩幅よりも握りこぶし2個分外側くらい広めにしてバーを握ります。肩甲骨の位置を修正し、正しいポジションをとったら、腕を伸ばした状態でバーベルをラックから外します。

3.バーを胸の真上に移動させたら、肘を曲げていきバーをゆっくりと下していきます。動作中、肘は横に開き、肘の真上に手首がくるようなイメージで動作を行いましょう。

4.乳首の上あたりを目安に下します。下せるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。この動作を繰り返します。

効果のある筋肉・部位

大胸筋の下部に大きな刺激が入ります。

気をつけること、ケガ防止のために

トレーニング施設に専用のデクラインベンチがあればよいですが、なければフラットベンチに両足をのせ、腰を上げて自分のカラダを斜めにして行う方法もあります。しかし、その方法の場合、バランスを崩しやすいので行う際には十分に注意しましょう。

はじめて行う際は動作の軌道などをしっかり確かめるためにも軽い負荷にしたり、スミスマシンや補助者をつけるなどして安全に行いましょう。

参考動画

足上げベンチプレス

両足を浮かせて行うベンチプレスのバリエーションです。

やり方の概要

1.ベンチに仰向けになります。バーベルが目線の真上にくるくらいを目安に、動作をしやすいフォームの確認をします。足は股関節・膝関節を90度に曲げるようにして床から浮かせ、持ち上げましょう。

2.手幅は肩幅よりも握りこぶし2個分外側くらい広めにしてバーを握ります。肩甲骨の位置を修正し、正しいポジションをとったら、腕を伸ばした状態でバーベルをラックから外します。

3.バーを胸の真上に移動させたら、肘を曲げていきバーをゆっくりと下していきます。動作中、肘は横に開き、肘の真上に手首がくるようなイメージで動作を行いましょう。

4.乳首の上あたりを目安に下します。下せるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。この動作を繰り返します。

効果のある筋肉・部位

大胸筋と上腕三頭筋を鍛えることができます。

気をつけること、ケガ防止のために

足を浮かせることでバランスが悪くなり、フォームを崩しやすくなりますので、しっかりコントロールできる重量を使いましょう。

また、足上げベンチプレスはベンチプレス上級者で、上腕三頭筋を狙って鍛える場合のみにしましょう。

– 参考動画

フロアバーベルプレス

ベンチを使わず、床に寝た状態で行うベンチプレスのバリエーションです。

やり方の概要

1.床に仰向けになります。足は腰幅程度に開き膝を立て、しっかり床につけます。

2.バーベルがお腹の上に乗るように、バーベルの下に潜り込みます。手幅は肩幅よりも握りこぶし2個分外側くらい広めにしてバーを握ります。肩甲骨の位置を修正し、正しいポジションをとったら、腰を浮かせた反動を使い、一気に顔の前までバーベルを持ち上げます。

3.バーを胸の真上に移動させたら、肘を曲げていきバーをゆっくりと下していきます。動作中、肘は横に開き、肘の真上に手首がくるようなイメージで動作を行いましょう。

4.乳首の上あたりを目安に下します。下せるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。この動作を繰り返します。

効果のある筋肉・部位

大胸筋を鍛えることができます。

気をつけること、ケガ防止のために

肘が床より下には下がらないため、可動域が狭くなりその分高重量を扱うことができる一方、大胸筋への刺激に関してはベンチで行った方がより大きな刺激を与えることができます。

ベンチが混んでいる場合や、自宅でのトレーニングなどとして活用するとよいでしょう。

参考動画

スミスマシンを活用しよう


ベンチプレスを行うにはまだ不安がある…という人はスミスマシンを活用してみましょう。スミスマシンは動作の軌道が固定されているため、フリーウエイトとくらべてバランスを崩す心配がなくなります。

つまり、力を最大限、重量を持ち上げることに集中することができます。若干フォームが変わってきますが、動作の練習を行うにはもってこいのマシンです。

また、上級者の人もピンポイントに筋肉を刺激するためにスミスマシンは効果的なので、筋肉を追い込むときに活用することをオススメします。

ダンベルを持って行うベンチプレス

 順番変更
ベンチプレスにはダンベルを用いて行う方法もあります。

ダンベルベンチプレス


ダンベルで行うベンチプレスです。

やり方の概要

1.ベンチに仰向けになります。足は腰幅程度に開き、しっかり床につけます。

2.両手にダンベルを握り胸の前に持ち上げます。肩甲骨の位置を修正し、正しいポジションをとりましょう。

3.肘を曲げていきダンベルをゆっくりと下していきます。動作中、肘は横に開き、肘の真上に手首がくるようなイメージで動作を行いましょう。

4.下せるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。上げるときは左右のダンベルがくっつくくらい内側に寄せることで大胸筋の収縮を強く促すことができます。この動作を繰り返します。

– 効果のある筋肉・部位

大胸筋と上腕三頭筋を鍛えることができます。

– 気をつけること、ケガ防止のために

上げきるところ、下げきるところで負荷が大胸筋から逃げやすくなります。動作を速く行わず、大胸筋の伸びや収縮を感じながら行いましょう。

バーベルに比べ動作が不安定になりやすいです。慣れていない場合は、軽い負荷から行いしっかり動作をコントロールして行うようにしましょう。

また、高重量を扱う時は、ポジションに入る際にダンベル持ち上げるときや下す時にダンベルを膝の上に乗せるなどのテクニックを使い、ケガを防ぎましょう。


高重量ダンベルは膝~ももを経由しケガを防ぐ

参考動画

さまざまなバリエーションを組み合わせて行う

今回紹介したバリエーションを組み合わせて行うこともできます。インクラインベンチプレスをダンベルで行ったり、デクラインベンチプレスをワイドグリップで行ったりと組み合わせは自由です。

自分のターゲットとしたい部位に対して、効いている感じを確認しながらさまざまなバリエーションで行ってみましょう。毎回同じエクササイズを行うよりも、刺激が変わることで筋肉の成長が加速します。

様々なフォーム・手幅で行うことによって負荷の蓄積も分散されるため、ケガの確率も下がりそうです。

これから大胸筋を大きくしたい人がベンチプレスに取り組むには

ここでは、ベンチプレスの効果を引き出すための負荷設定について解説していきます。

重量・回数・セット・インターバルの考え方

大胸筋を効率よく大きくしたり、筋力を向上させていくためには、トレーニングプログラムを計画的に進めていく必要があります。いつも同じ負荷・回数では成長が停滞してしまうからです。

その他、セット数やインターバルによっても効果が変わってきますので、しっかりと頭に入れておきたいポイントです。

ギリギリ10回挙上できる重量を毎月上げていけることを目標に

重量は目的によって設定しますが、その際に重要なのがRMという考え方です。RMとは(repetition maximum:反復可能最大重量)の略で、反復できる限界の回数を表しています。5RMなら5回で限界、10RMなら10回で限界ということです。

ベンチプレスをこれから始めるという人は、まずは10RMで重量を設定するとよいでしょう。筋肥大のためには8~12RMが効果的だからです。

継続していくと、筋力が向上し最初10RMだったものが10回以上できるようになってきます。そうした場合は重量を増やし、10RMになるように負荷を増やすようにしましょう。はじめの目標としては、この10RMを毎月増やしていけるように頑張ってみましょう。

慣れてフォームも安定してきたら、ギリギリ8回挙上できる重量を上げていく

動作がスムーズにできるようになってきたら使用重量を増やし、8RMで重量を設定してみましょう。強度が増し刺激量が増えますが、重さが増えることによってフォームが崩れやすくなりますので、正しいフォームで行うことを優先して行いましょう。

セット数はウォーミングアップを除いて3-5セット

セット数は3-5セット行うようにしましょう。メインセットを行う前に1セットはウォーミングアップとしてバーベルのみなど軽い負荷で1セット行っておくと、メインセットでパワーを発揮しやすくなります。

セットの組み方はさまざまです。セット数が多い場合、最後の方のセットでは同じ重量で行うのが難しくなり、10RMに設定した重量でも5回しか上げられないということが起こります。

セット数が少なければ同じ重さで、セット数が多ければ重量を徐々に軽くしていき、どのセットも10RMになるように変更していく方法がよいでしょう。

インターバルは1分より長く。1分半~3分程度で取り組む

セット間のインターバルは短くても1分半、長くて3分くらいに設定しましょう。インターバル間が短いと、疲労が抜けずRMが少なくなってしまいますし、逆に長すぎると休み過ぎで筋肉を効果的に刺激することができなくなってしまいます。

1日以上休息を空け、週2日~3日程度取り組む

トレーニング頻度としては、胸のトレーニング後1日以上は休息を入れるようにしましょう。高重量を行う場合は1日で回復しないことが多いです。ハードに胸のトレーニングを行う場合は、週に2日くらいがちょうどよいでしょう。

まとめ

  • ベンチプレスは胸の筋肉を鍛える代表的なエクササイズである
  • 胸の筋肉量を増やし、厚い胸板を作ったりバストアップに効果がある
  • 肩甲骨の位置、手首の位置、ブリッジなど正しいフォームをしっかり確認する
  • ベンチプレスのバリエーションを活用し、胸全体を刺激する
  • 10RMを目安に行い、慣れてきたら8RMに重量を増やす
  • インターバルやトレーニング頻度もしっかり調整し、胸の筋肉を回復させる期間も忘れずに

自宅にベンチプレス台、欲しいですね・・・。

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training-holic
training-holic
ボディメイク・栄養学を必修の学問として国内に広めることを決意して#トレラブを発起した人。米国パーソナルトレーナー資格のNSCA-CPT合格。2019年にはJBBFメンズフィジーク初挑戦で地方大会3位入賞。2020年には恵比寿・代官山エリアのパーソナル+24時間通い放題のジムを共同創業者としてオープンした。好物は低温調理器で大量に仕込む鶏ハムをいろんな味で食べること。

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