カラダ作りをしていくうえで、これだけは外せない!というトレーニングがあります。その一つがスクワットです。筋体積の大きい太ももやお尻の筋肉を鍛えることができ、代謝アップにも貢献するエクササイズです。
スクワットはただしゃがむだけのエクササイズではありません。間違った動作やフォームでは、効果が小さくなったり、ケガをしてしまいます。スクワットはとても奥が深いエクササイズなのです。
この記事の目次
キング・オブ・エクササイズ:スクワットとは?
スクワットはキング・オブ・エクササイズと呼ばれるほど優れたエクササイズです。ベンチプレス・デッドリフトと合わせてトレーニングのBIG3(ビッグスリー)とも呼ばれています。
スクワットにより得られる効果
スクワットを行うことで、どのような効果があるのでしょうか。お尻や下半身といった大きな筋肉を鍛えるというのはもちろんですが、それ以外にも多くの効果を得ることができます。
足腰が強くなり、姿勢も良くなる
スクワットは、エクササイズの中でも高重量を扱えるフリーウエイト種目の一つです。高重量で行うことで、下半身全体の筋肉に大きな刺激を入れることができ、その上、動作中の姿勢を保つために体幹に対しても大きな刺激が入ります。
その結果、姿勢が良くなったり、他のエクササイズで扱える重量が増えるなどの効果があります。
面積の大きな筋肉をたくさん鍛えられるので代謝が上がりやすい
下半身の筋肉はカラダの中でも大きいものばかりです。そのため筋量を増やしやすく、筋量が増えることで基礎代謝量も大きく向上します。ダイエットなどでスクワットがよく行われる理由は、引き締めるためだけでなく、基礎代謝量を高めるためともいえます。
スクワットにより鍛えられる筋肉・主働筋・協働筋
スクワットはどの筋肉を鍛えることができるのでしょうか。ここではスクワットによって鍛えられる筋肉を確認しましょう。
スクワットは多関節種目であり、大きな筋肉を一気に鍛えられる
スクワットは一つの筋肉が力を発揮して動作を行う単関節種目(アイソレート種目)ではなく、複数の筋肉が力を出し合って動作を行う多関節種目(コンパウンド種目)です。そのため、一度に多くの筋肉に対し刺激を入れることができます。
大臀筋(お尻にある筋肉)
お尻の表面(表層)にある筋肉 大臀筋は、スクワット動作においてメインで力を発揮する筋肉(そのような筋肉のことを主働筋といいます)の一つです。大臀筋は、股関節を伸ばす時や外側にひねるときに力を発揮します。
中臀筋(お尻にある筋肉)
中臀筋 は、大臀筋の奥(深層)にある筋肉です。股関節を外側に開くときに力を発揮します。スクワット時には、安定した動作を行うために姿勢維持の役割を果たします。
ハムストリング(太ももの裏にある筋肉)
ハムストリングス は、大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋という3つの筋肉を合わせた総称です。ハムストリングスは主働筋の働きを助ける筋肉(それらの筋肉のことを協働筋といいます)の一つで、股関節を伸ばしたり、膝関節を曲げたりするときに力を発揮します。
大腿四頭筋(太ももの表にある筋肉)
大腿四頭筋 は、大腿直筋・内側広筋・外側広筋・中間広筋の4つからなる筋肉です。スクワットの主働筋の一つで、股関節を曲げるときや、膝関節を伸ばす時に力を発揮します。
脊柱起立筋(背中にある筋肉)
脊柱起立筋 は背骨の両脇にある筋肉です。高重量を担いでも上体がぶれないように、動作中、常に力を発揮して姿勢を保っています。
股関節外旋筋群(太ももの付け根にある筋肉)
参考:http://www.sportsoasis.co.jp/column/web/dict/c35/433.html
股関節を外側に捻る働きを持つ筋肉をまとめて 股関節外旋筋群(深層外旋六筋) といいます。
詳しくは梨状筋・上双子筋・下双子筋・外閉鎖筋・内閉鎖筋・大腿方形筋のことをいいますが、これらの筋肉はスクワットの動作中にぶれないようにカラダを固定する役割を持っています。
内転筋群(太ももの内側にある筋肉)
内ももにある 内転筋群 は大内転筋・短内転筋・長内転筋・恥骨筋・薄筋からなり、脚を内側に閉じるような動きや、股関節を伸ばす時に力を発揮します。スクワットのバリエーションによって内転筋群を刺激することができます。
スクワットの種類・フォームの解説
ここではスクワットのさまざまなバリエーションやフォームについて解説します。
すべての種目を覚えたり、行う必要はない。動員する筋肉を理解して、自分にあった種目を選ぼう
スクワットと名前がつくエクササイズは数多くあります。それぞれ少しづつ刺激する部分が異なったり、負荷が異なったりします。はじめからすべての種目を行う必要はありません。
スクワットの中には難しい動作の種目もあります。まずは基本的なスクワット動作を習得し、慣れてきたら色々なスクワットにチャレンジして自分の刺激したい部分に効かせやすい種目を行うとよいでしょう。
お尻に効く、安定したフォームの大原則と注意点
スクワットで使われる筋肉の中で、もっとも大きな力を発揮することができるのが大臀筋です。しっかり大臀筋に刺激が入るフォームを行うことがポイントです。ここではオーソドックスなスクワットの方法を紹介します。
足幅は広め、つま先は開き、膝が内側に入らないこと
足幅は肩幅よりも拳1個分程度外側に開きましょう。この時、つま先の向きにも注意が必要です。つま先の向きは正面より30°程度外側に開くようにしましょう。
つま先が正面向きや内向きの場合、動作を行う上で膝が内側に入りやすく、膝へのストレスが高まることによって故障のリスクが高まります。
つま先の向きに膝が動いていくように、膝が内側に入らないように気をつける必要があります。
バーベルは真下・真上に動く軌道
正しいフォームで行うと、バーベルの軌道は真下・真上の動き(地面に対して垂直な軌道)になるはずです。重い重量では軌道がぶれることはあまりありませんが、軽い重量のバーベルで行うと、軌道がズレていても動作ができてしまうことがあります。軽いバーベルでも雑に行わずに、しっかり軌道が真下・真上に動いているか確認しながら行いましょう。
ランニングシューズよりも底が平らで安定する靴が好ましい
スクワットするときに注意したいポイントのひとつが靴です。たとえばランニングシューズのようにソールのクッション性が高いものや厚いものは、力が逃げてしまったり、バランスを崩してしまう可能性が高まります。ソールが薄く、底が平らでグリップ力の強い靴がオススメです。
ほんの少しの違いですが、安全で効果的にエクササイズを行うためには、適したシューズを履くことをオススメします。
※ジムで重い重量のスクワットをしている人には、底が固く平らなウエイトリフティングシューズ・コンバース・地下足袋(じかたび)なんかを愛用している方も多いですね!
※筆者はCONVERSE ALL STAR(コンバースオールスター)を履いて脚トレをやることが多いです。市販の靴ではかなりグリップ力が高くソールも平らで脚トレ向き。ジムでもたまに見ますし、同じような考えか、ワークマンの作業靴や足袋もたまに見ます。
ハイカットの紐靴は足元安定します。
これを履いている人もたまに見ます。とにかく安い!
自重で行うスクワット
ここでは、自分の体重のみで行うスクワットのさまざまなバリエーションを紹介します。
両足自重スクワット
もっとも基本的なスクワットです。初心者でも安全にでき、フォームづくりにも最適な種目です。トレーニング初心者はまずここから始めてみましょう。
やり方の概要
1.足を肩幅よりも拳1個分外側へ開き立ちます。つま先は30°程度外側へ向くようにしましょう。両手は胸の前で組んでおきます。
2.上半身は胸を張り、軽く腰を反らせた状態を保ちましょう。その姿勢を変えないように、股関節と膝を曲げていき、カラダを下していきます。この時、膝の位置がつま先よりも前に出ないよう、股関節を曲げてお尻を後ろに突き出すような意識で行うとよいでしょう。
3.太ももが床と平行の位置まで来たら、股関節と膝を伸ばしていき元の姿勢に戻ります。
4.この動作を繰り返します。
効果のある筋肉・部位
大臀筋や大腿四頭筋に刺激が入ります。
気をつけること、ケガ防止のために
自分の体重だけなので負荷が低く、ケガのリスクが低い種目です。まずはしっかりとスクワットの動作とフォームを身につけるために、鏡などで姿勢をチェックしながら行うとよいでしょう。
参考動画
両足自重ワイドスクワット
足幅を大きく開いて行うスクワットです。足幅を変えるだけで刺激される部位が変わるので、初心者でも積極的に活用したい種目です。
やり方の概要
1.足を肩幅よりも拳2~3個分外側へ開き立ちます。つま先は45°程度外側へ向くようにしましょう。両手は胸の前で組んでおきます。
2.上半身は胸を張り、軽く腰を反らせた状態を保ちます。その姿勢を変えないように、股関節と膝を曲げていき、カラダを下していきます。この時、つま先の向きに膝が曲がるように意識して、膝が内側に入らないように注意しましょう。
3.太ももが床と平行の位置まで来たら、股関節と膝を伸ばしていき元の姿勢に戻ります。
4.この動作を繰り返します。
効果のある筋肉・部位
基本的なスクワットよりも、内転筋群に刺激が入りやすくなります。
気をつけること、ケガ防止のために
足を広げることによって、基本的なスクワットよりバランスをとるのが難しくなります。しっかり上体を安定させながら行いましょう。
参考動画
両足自重ジャンピングスクワット
スクワットにジャンプ動作を組み合わせた種目です。
やり方の概要
1.足を肩幅よりも拳1個分外側へ開き立ちます。つま先は30°程度外側へ向くようにしましょう。両手は胸の前で組んでおきます。
2.上半身は胸を張り、軽く腰を反らせた状態を保ちます。その姿勢を変えないように、股関節と膝を曲げていき、カラダを下していきます。この時、膝の位置がつま先よりも前に出ないよう、股関節を曲げてお尻を後ろに突き出すような意識で行うとよいでしょう。
3.太ももが床と平行の位置まで来たら、股関節と膝を勢いよく伸ばしていき、できるだけ高く真上にジャンプします。
4.膝が内側に入らないように十分注意しながら着地して、最初の姿勢に戻ります。
5.この動作を繰り返し行います。
効果のある筋肉・部位
基本的なスクワットに比べ、大臀筋や大腿四頭筋にかかる負荷が高く、瞬発的に力を発揮する筋パワーを高めます。
気をつけること、ケガ防止のために
着地時にバランスを崩さないように注意が必要です。慣れるまでは着地した後すぐに次の動作に移らず、一度しっかり姿勢を整えてから次の動作を行うようにしましょう。
参考動画
片足自重スクワット(ピストルスクワット)
片足でスクワット行うハードな種目です。
やり方の概要
1.足を肩幅程度に開き立ちます。つま先は正面を向くようにしましょう。両手は胸の前で組んでおくか、まっすぐ前に伸ばしておきます。
2.上半身の姿勢を保ったまま、片足を浮かせ片足立ちになります。浮かせた足は前に伸ばすと、動作を行いやすくなります。
3.お尻を後ろに下げるようにして股関節と膝を曲げていき、カラダを下していきます。
4.しゃがみきったら、股関節と膝を伸ばしていき元の姿勢に戻ります。
5.この動作を繰り返します。反対脚も同様に行います。
効果のある筋肉・部位
片足でのスクワットは、主に大腿四頭筋に大きな刺激が入ります。その他、バランスをとるために中臀筋や外旋筋群などにも大きな刺激を与えることができます。
気をつけること、ケガ防止のために
バランスが悪く、筋力が低いとしゃがんだ姿勢から起き上がれないことも多いエクササイズです。ある程度筋力がついた人がチャレンジしてみましょう。また、膝に痛みを感じる人は無理に行わないようにしましょう。
参考動画
ダンベルを持って行うスクワット
ここでは、ダンベルを使って行うスクワットのさまざまなバリエーションを紹介します。
ダンベルパイルスクワット
足を大きく開き、ダンベルをカラダの前で持って行うスクワットです。
やり方の概要
1.脚を肩幅よりも拳2~3個分外側へ開き立ちます。つま先は45°程度外側へ向くようにしましょう。両手で一つのダンベルを持ち、脚の間で保持します。
2.上半身は胸を張り、軽く腰を反らせた状態を保ちます。その姿勢を変えないように、股関節と膝を曲げていき、カラダを下していきます。この時、つま先の向きに膝が曲がるように意識します。
3.太ももが床と平行の位置まで来たら、股関節と膝を伸ばしていき元の姿勢に戻ります。
4.この動作を繰り返します。
効果のある筋肉・部位
ダンベルを使用することで負荷が高まり、とくに大臀筋や内転筋群に刺激が入りやすくなります。
気をつけること、ケガ防止のために
膝が内側に入らないように気をつけましょう。
参考動画
ダンベルフロントスクワット
ダンベルをカラダの前で構えたスクワットです。
やり方の概要
1.脚を肩幅よりも拳1個分外側へ開き立ちます。つま先は30°程度外側へ向くようにしましょう。両手にそれぞれダンベルを持ち、肩の前あたりでダンベルを保持します。
2.上半身は胸を張り、軽く腰を反らせた状態を保ちます。その姿勢を変えないように、股関節と膝を曲げていき、カラダを下していきます。この時、膝の位置がつま先よりも前に出ないよう、股関節を曲げてお尻を後ろに突き出すような意識で行うとよいでしょう。
3.太ももが床と平行の位置まで来たら、股関節と膝を伸ばしていき元の姿勢に戻ります。
4.この動作を繰り返します。
効果のある筋肉・部位
カラダの前側に重量が加わることによって、大腿四頭筋にかかる刺激量が多くなります。
気をつけること、ケガ防止のために
慣れていないとしゃがむ際に膝が前に出やすくなります。また、バランスがとりにくいので、まずは軽めの負荷から行うとよいでしょう。
参考動画
ブルガリアンスクワット
足を前後に開き、片方の足ずつ刺激する種目です。
やり方の概要
1.足を肩幅より広めにして前後に開きます。後ろの足のつま先をベンチに乗せて、片足立ちになりましょう。両手にそれぞれダンベルを持ちます。
2.股関節と膝を曲げながらゆっくりカラダを下していきます。この時、胸を張って上体をまっすぐにしておき、その姿勢を保ったまま動作を行うようにしましょう。膝を大きく曲げるよりも前脚の股関節を曲げていく意識で動作を行います。
3.前脚の膝の角度が90度になったら、股関節と膝を伸ばしていき元の姿勢に戻ります。
4.この動作を繰り返します。反対側も同様に行います。
効果のある筋肉・部位
片足で行うブルガリアンスクワットは、とくに前側に位置している大臀筋や中臀筋、外旋筋群などに大きな刺激が入ります。
気をつけること、ケガ防止のために
前脚のつま先は正面を向け、膝が左右にぶれないように動作スピードをしっかりコントロールしながら行いましょう。
参考動画
ケトルベルを持って行うスクワット
ここでは、ケトルベルを使って行うスクワットを紹介します。
ゴブレットスクワット
ケトルベルをカラダの前で保持して行うスクワットです。
やり方の概要
1.足を肩幅よりも拳1個分外側へ開き立ちます。つま先は30°程度外側へ向くようにしましょう。両手でケトルベルを持ち、胸の前あたりでケトルベルを保持します。
2.上半身は胸を張り、軽く腰を反らせた状態を保ちます。その姿勢を変えないように、股関節と膝を曲げていき、カラダを下していきます。この時、膝の位置がつま先よりも前に出ないように注意します。
3.太ももが床と平行の位置まで来たら、股関節と膝を伸ばしていき元の姿勢に戻ります。
4.この動作を繰り返します。
効果のある筋肉・部位
大腿四頭筋にかかる刺激量が多くなります。
気をつけること、ケガ防止のために
前後のバランスがとりにくくなるため、まずは軽めの負荷から始めましょう。また、動作中にケトルベルを落とさないよう、しっかり保持するように気をつけましょう。
参考動画
フリーウエイトバーベル・スミスマシンで行うスクワット
ここでは、バーベルやスミスマシンを使って行うスクワットのさまざまなバリエーションを紹介します。
バックスクワット
バーベルを使ったもっとも基本的なスクワットです。バーベルでのスクワットを行う際はこの種目から始めてみましょう。
やり方の概要
1.足を肩幅よりも拳1個分外側へ開き立ちます。つま先は30°程度外側へ向くようにしましょう。肩(僧帽筋)にバーベルをのせ、両手でしっかりバーベルを握り固定します。
2.上半身は胸を張り、軽く腰を反らせた状態を保ちます。その姿勢を変えないように、股関節と膝を曲げていき、カラダを下していきます。この時、膝の位置がつま先よりも前に出ないように注意します。
3.太ももが床と平行の位置まで来たら、股関節と膝を伸ばしていき元の姿勢に戻ります。
4.この動作を繰り返します。
効果のある筋肉・部位
大臀筋や大腿四頭筋を刺激します。また、重い重量で行うことで脊柱起立筋などの姿勢を保つ筋群が多く動員され、鍛えられます。
気をつけること、ケガ防止のために
負荷が増えることで、フォームや動作が崩れやすくなります。しっかり体勢をコントロールできる重量で行いましょう。
参考動画
フロントスクワット
バーベルをカラダの前で保持して行うスクワットです。
やり方の概要
1.足を肩幅よりも拳1個分外側へ開き立ちます。つま先は30°程度外側へ向くようにしましょう。肩の前(三角筋)にバーベルをのせ、両手をクロスさせしっかりバーベルを握り固定します。
2.上半身は胸を張り、軽く腰を反らせた状態を保ちます。その姿勢を変えないように、股関節と膝を曲げていき、カラダを下していきます。この時、上体が前に傾けすぎるとバーベルを保持するのが難しくなりますので注意しましょう。
3.太ももが床と平行の位置まで来たら、股関節と膝を伸ばしていき元の姿勢に戻ります。
4.この動作を繰り返します。
効果のある筋肉・部位
大腿四頭筋に大きな負荷がかかります。
気をつけること、ケガ防止のために
バーベルを保持するために、上体をしっかり安定させておく必要があります。バランスを崩しやすいのでまずは軽めの負荷から始めましょう。また、膝がつま先よりも前に出やすいので注意が必要です。
参考動画
オーバーヘッドスクワット
バーベルを頭上に持ち上げたまま行うスクワットです。
やり方の概要
1.脚を肩幅よりも拳1個分外側へ開き立ちます。つま先は30°程度外側へ向くようにしましょう。肘をしっかり伸ばし頭上にバーベルを持ち上げます。
2.上半身は胸を張り、軽く腰を反らせた状態を保ちます。その姿勢を変えないように、股関節と膝を曲げていき、カラダを下していきます。この時、バーベルが前に傾くと体勢を崩してしまいますので、バーベルを持った腕がしっかり垂直を保ったまま動作を行いましょう。
3.太ももが床と平行の位置まで来たら、股関節と膝を伸ばしていき元の姿勢に戻ります。
4.この動作を繰り返します。
効果のある筋肉・部位
大臀筋や大腿四頭筋はもちろん、体勢を保つための脊柱起立筋やバーベルを固定するための三角筋などの体幹部に大きな刺激が入ります。
気をつけること、ケガ防止のために
バランスが非常に悪く、動作が正確にできない人が多くみられます。肩関節の柔軟性が低い人はこの種目は適していません。
参考動画
スプリットスクワット
足を前後に開いて行うスクワットです。
やり方の概要
1.足を肩幅より広めにして前後に開きます。肩(僧帽筋)にバーベルを担ぎます。
2.股関節と膝を曲げながらゆっくりカラダを下していきます。この時、胸を張って上体をまっすぐにしておき、その姿勢のまま動作を行うように意識しましょう。膝を大きく曲げるよりも前脚の股関節を曲げていく意識で動作を行います。
3.前脚の膝の角度が90度になったら、股関節と膝を伸ばしていき元の姿勢に戻ります。
4.この動作を繰り返します。反対側も同様に行います。
効果のある筋肉・部位
前側に位置している方の大臀筋や中臀筋、外旋筋群などに大きな刺激が入ります。
気をつけること、ケガ防止のために
前後に足を開くため左右のバランスがとりにくく、かつバーベルなどの重量により動作が難しい種目です。しっかり動作スピードをコントロールできる重量で行いましょう。
参考動画
スクワット・脚トレの種目やセットの組み方
スクワットの種目選びや、他の脚のトレーニングとの組み合わせ方を紹介します。プログラムを立てる際に参考にしてみてください。
初心者はケガのリスクが低い自重を中心に、ダンベル種目を取り入れてみる
初心者の人は、まず安全で簡単に行える自重でのスクワットから始めてみましょう。正確な動作とフォームで何十回もできるようであれば、ダンベルを使ったスクワットにチャレンジしてみましょう。ダンベルといっても重さはさまざまです。フォームが崩れずに行える中で、どんどん重い重量にチャレンジしていきましょう。
中級者はスミスマシン・バーベルを使った高重量種目にチャレンジ
ある程度スクワットに慣れたら、バーベルでのスクワットは取り入れていきたいところです。バーベルを使ったことがない人は躊躇するかもしれませんが、もしそうならスミスマシンを活用して、まずはスミスマシンでのスクワットを行うとよいでしょう。
効果をより引き出すためには高重量でのスクワットが欠かせません。フリーウエイトでも、スミスマシンでも徐々に負荷を増やしていくようにしましょう。
鍛える筋肉が偏らないように、表裏を意識して種目を組む
下半身全体を鍛えるスクワットといえど、やはり刺激量は筋肉によって異なります。とくにハムストリングスに対しては大腿四頭筋に比べ負荷が少ないので、ハムストリングスのエクササイズは別に追加したいところです。
レッグカールやルーマニアンデッドリフトなどの、ハムストリングスをメインで鍛える種目もスクワットと一緒に行うとよいでしょう。
前半に多関節*高重量の種目、後半は単関節*低重量*高レップ数で組む
スクワットは疲れていないトレーニングの前半に行った方が効果的です。トレーニング後半に行うと、疲労により最大限に筋力が発揮できず、筋肉への刺激量が低下してしまいます。
トレーニングのプログラムを組む際は、多関節×高重量×低回数の種目から始め、後半は単関節×低重量×高回数へと負荷を変化させていくと、効率よくプログラムを行うことができますので覚えておきましょう。
スクワットに必要な「腹圧」の技術
スクワットでしっかりと姿勢を保ったり、腰のケガを防ぐためには「腹圧」がポイントです。
腹圧とは
腹圧とは、腹筋と横隔膜の収縮によって起こる腹腔の内圧のことをいいます。腹圧が高まることによって姿勢が安定しやすくなり、腰への負担が減ります。スクワットでは腹圧を高めることで、高重量でもケガのリスクを下げることができるだけでなく、大きな力が発揮することができるようになります。
腹圧のかけ方
腹圧を高めるためには、動作中、常に腹筋(腹直筋)に力を入れておくように意識することがポイントです。力は、腹筋運動をする時のように腹筋を固くする入れ方です。ドローインと呼ばれるお腹を凹ませる方法では、大きな力を発揮することができないだけでなく、ケガのリスクが高まりますのでオススメはできません。
リフティングベルト(パワーベルト)で補強する
腰を痛めた経験がある人は、スクワットを敬遠しがちです。そんな人はリフティングベルトを活用しましょう。ベルトを使用することで腹筋をグッと収縮させた時以上の腹圧を作り出すことができます。
ベルトも巻き方ひとつで圧のかかり方が変わります。ただ巻くだけでなく、お腹を目一杯へこませた状態できつく巻くようにしましょう。腰に負担がない人でも高重量を扱う場合はベルトをしておいた方が、ケガのリスクを低下させますので積極的に活用しましょう。
スタンダードなベルトタイプ
脱着がスムーズなレバータイプも人気です。
腹圧を高めるバルサルバ法
バルサルバ法とは、息を止めていきむことで大きな力を発揮するという呼吸法です。皆さんも全力に近い大きな力を発揮する時は自然と息が止まるのではないでしょうか。これを意識的に使うのがバルサルバ法です。一番負荷がかかるポイントで息を止めて力を入れることで、呼吸をしている時よりも腹圧が高まります。
バルサルバ法が向かない、回避した方がいい方
バルサルバ法は大きな力を発揮できる反面、注意しなければいけない人もいます。呼吸を止めることで血圧が急上昇するからです。そのため普段から血圧が高い人には向いていません。
キツい脚トレの敵は自分自身。まずは続けられる仕組みを考えよう
どんなに優れたエクササイズでも、継続しなければ意味がありません。とくにスクワットはキツイため、敬遠されがちなエクササイズの一つです。
初心者にはウエイト無しでの30日スクワットチャレンジがオススメ
スポーツクラブに通わず自宅でトレーニングを行うという人は、30日スクワットチャレンジを試してみましょう。
30日スクワットチャレンジは、1日当たりに行う回数が決まっています。低負荷高回数の初心者向けで、運動を習慣づけるには最適なプログラムといえるでしょう。
とはいえ、高回数行うのは結構ハードです。行う時間帯やルールを決めると継続しやすくなります。
十分な休息をつくり、激しい筋肉痛が残っている場合は無理をしないこと
筋力を向上させていくためには、ハードなトレーニングだけでなく適切な休養も必要です。とくに高重量を扱うスクワットの場合は、筋肉の回復に時間がかかります。筋肉痛が残っているにもかかわらず高重量で行うと、思うように力が出ずにトレーニングの質が低下するだけでなく、オーバーワークのリスクも高まります。筋肉痛が出ている場合は無理をせず、休ませることもトレーニングだと理解しておきましょう。
時間をかけてじっくり行いたい場合は、人がいない時間帯を狙ってジムに行こう
スポーツジムによっては、スクワットラックが1台しかない場合があります。そうすると、自分のやりたいタイミングでできなかったり、順番待ちの人の視線が痛かったりして、集中して行えない場合も少なくありません。
そんな時は、自分のペースでトレーニングが行えるように、混雑が少ない時間帯を狙ってスポーツジムに行くようにしましょう。また、時間帯によって客層がガラッと変わるため、フリーウエイトをあまり使わない人たちがいるような時間帯を狙うのもポイントです。
まとめ
- スクワットは下半身を鍛えるもっとも基本的なエクササイズである
- 筋力を向上させるだけでなく、姿勢を整えたり、基礎代謝量を増やす効果も高い
- 足幅やつま先の向き、膝の動く向きなどに注意し、安全で安定した動作を心がける
- スクワットには多くのバリエーションが存在する
- まずはしっかりフォームを作り、正しく行えるようになったらどんどん高重量にチャレンジする
- 腹圧をしっかり高め、腰の故障を防ぐ
- 継続は力なり 続けられるルール作りも大切