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筋トレを始めたけど忙しくてなかなか時間が取れない」「短時間でもっと追い込みたい」という悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、普段忙しい方にもオススメなスーパーセット法を紹介します。

スーパーセット法とは?といった基礎的な情報からスーパーセット法のメリット・デメリット、そして実際にスーパーセット法を利用したトレーニング種目まで徹底的に解説していきます!効率良く筋肉を発達させましょう!

スーパーセット法とは?スーパーセット法の基本情報

トレーニングには効率良く鍛えるための方法がたくさん存在しています。

表裏の筋肉を一気に鍛えるのがスーパーセット

その中でも人気のスーパーセット法ですが、具体的にはどのようなトレーニング方法なのでしょうか?

スーパーセット法とは、拮抗筋(上腕三頭筋と二頭筋のような対になっている裏表の筋肉)をなるべく休憩を挟まずに交互に鍛えていくトレーニング方法です。

これだけだと少しわかりづらいので、具体例を交えながら噛み砕いて説明していきます。

拮抗筋(きっこうきん)とは、先ほど説明したように互いに相反して働き合う2種類の筋肉のことを指します。

力こぶを作り出す上腕二頭筋と二の腕の上腕三頭筋を例に見ていきましょう。

上腕二頭筋
上腕三頭筋
※上(お腹側)が上腕二頭筋・下(背中側)が上腕三頭筋です。裏表の関係があります。

上腕二頭筋(力こぶ)に力を入れると上腕三頭筋(二の腕)はリラックスし、逆に上腕三頭筋に力を入れると上腕二頭筋がリラックスします。

このように対になっている筋肉を拮抗筋と呼び、筋肉を円滑に作用させるのに重要な役割を担っています。要は表と裏の筋肉のことです。

そしてこれをスーパーセット法に当てはめると:上腕二頭筋の種目(例:バーベルカール)を1セットしたら、すかさず上腕三頭筋の種目(例:プレスダウン)のセットに移ります。

ここではバーベルカールとプレスダウンの両方を終えた時点で1セットとカウントします。

同じ部位(近い部位)の筋肉を一気に鍛えるのはコンパウンドセット

また、よく似たトレーニング方法でコンパウンドセット法というやり方もあります。

こちらは同一部位を2種類続けて鍛える方法(例:アームカール→プリチャーカール)ですので、混合しないよう注意しましょう。

コンパウンド法については、こちらでも解説していますので参考にしてみてください。

筋トレのトレーニング種目の選び方・順序・頻度・セット数・部位はどう決める?プライオリティ・プリンシプルとは!?

※コンパウンドセットに特化した記事もそのうち用意する予定です。

POINT

スーパーセット法とは→拮抗筋を交互に鍛えていくトレーニング方法である。

例:バーベルカール→プレスダウン

スーパーセット法を行うべき5つのメリットを徹底解説!


スーパーセット法とは?といった基礎的なことを理解できたところで気になるのが、わざわざスーパーセット法を行う理由ですよね。

ここではスーパーセット法を取り入れることで得られる5つのメリットを解説していきます!

①忙しい人にオススメ!時間短縮

まず一つ目のメリットは、なんといってもトレーニングの時間を短縮できることです。

通常は各種目ごとに1分〜2分程度の休憩が必要なため、種目数をこなすためにはどうしても時間がかかってしまいます。

しかしスーパーセット法では種目間で休憩をほとんど取らずに連続して行うため、トレーニング時間の短縮へとつながります。

また、スーパーセット法を利用すれば一部位だけではなく一気に二部位を鍛えることまで可能となります。

ほとんどのトレーニーが「胸の日」「背中の日」というように体の部位を分割させてトレー二ングルーティーンを組んでいるかと思います。

そのため週に何度もジムへと通わなけらばならず、これは忙しい方からしたら悩みの種ですよね。

しかしスーパーセット法を利用すれば胸と背中をいっぺんに鍛えることができるため、ジムに行く頻度も減らすことができます

②回復促進でより対象部位へ負荷をかけられる!

2点目のメリットとして挙げられるのが、回復促進です。

スーパーセット法では主動筋が収縮している時は拮抗筋がリラックスの状態にあるため、それだけ回復が促進されます。

(例:アームカールで上腕二頭筋が収縮している時、上腕三頭筋はリラックス状態)

このメカニズムは相反神経支配(そうはんしんけいしはい)と呼ばれ、この作用のお陰でセットの後半でもよりハードに対象部位へと刺激を与えることが可能となります。

参考:http://www.j-stretching.com/pg747.html

③低重量でも追い込める!最後の追い込みに最適

スーパーセット法は、2種目連続で行うことで対象部位へ強い刺激を与えることができます。

そのため、高重量を扱わずに低重量で回数をこなすことでより追い込むことができます。

通常のトレーニングをこなした後、最後の追い込みしたい!というときにも最適な方法です。

④心肺機能の向上

スーパーセット法を行ったことがある方はわかると思いますが、通常のトレーニングよりも動作時間が長いため疲労も蓄積されます。

しかし動作時間が長いということは、それだけ心肺機能の向上にもつながります。

心肺機能が向上すると普段疲れにくくなるなど日常生活でも嬉しい効果があるのはもちろんのこと、

他のトレーニングのパフォーマンスアップにもつながります。

⑤パンプアップによる筋肥大効果

スーパーセット法は筋肉に負荷が乗っている状態が長くなるため、強烈なパンプ感を得ることができます。

そしてこのパンプアップは、筋肥大のための重要な要素となります。

筋肥大を効率よく行うためには物理的刺激と科学的刺激の二つの要因が必要だと言われています。

このうち物理的刺激は単純に重りを持ち上げることで得られ、科学的刺激は筋肉の中に疲労物質が溜まった状態で得ることができます。

そしてパンプアップでは血流が制限されるために、対象の筋肉内に疲労物質がどんどん溜まっていきます。

つまり、スーパーセット法でトレーニングを行うことによりパンプ感を得られ、筋肥大につながるというわけです。

物理的刺激は意識をしなくとも通常のトレーニングで得ることができるため、あえて科学的刺激を狙ったスーパーセットを取り入れることをオススメします。

スーパーセット法をするべき5つのメリット

  • 時間短縮
  • 回復促進
  • 最後の追い込みに最適
  • 心肺機能の向上
  • パンプアップによる筋肥大

スーパーセット法はこんな方にオススメ!

  • 忙しくてジムに行く時間を毎回十分に取れない方
  • 最後の追い込みをしたい方
  • 普段と違った刺激を得たい方

スーパーセット法を行う3つのデメリット


トレーニングにスーパーセット法を取り入れることでたくさんのメリットがあることを紹介してきました。

しかし、実はスーパーセット法にはデメリットも存在します。ここでは3つのデメリットを紹介していきます。

①難易度が高い

スーパーセット法は片方の筋肉が収縮している時に、もう一方をしっかりとストレッチさせることで効果が高まるトレーニングです。

つまり主動筋と拮抗筋、両方への意識が大切です。

そのため「自分が今どこの筋肉を鍛えているのか」対象部位をピンポイントに効かせられているか」というマッスルコントロール能力が必要となります。

この意識は筋トレ初心者の方にはなかなか難しいため、スーパーセット法は中〜上級者向けとなります。

初心者の方はまずは通常のトレーニングでフォームを固め、対象部位へと効かせる感覚をつかんでからスーパーセット法を取り入れるようにしましょう。

②疲労度が高い

メリットでも触れましたが、スーパーセット法は2種目連続で行うため対象部位へ負荷が乗っている時間が長く、疲労度が高くなります。

追い込めるというメリットがある反面、そのぶん回復に時間が必要となります。

筋肥大にはトレーニング×栄養×休養の3要素が不可欠です。無理してスーパーセット法を行ってオーバーワークになってしまっては本末転倒ですので、取り入れる際は体調に十分考慮しましょう。

③ジムの混雑時には適していない

スーパーセット法は、違う種目を連続して行う必要があります。

そのためマシンをいくつか占領することになってしまうため、ジムが混雑している場合は他の利用者の迷惑となります。

また、一つの種目をやり終わったところでいざ違うマシンを使おうとしたら他の方が使っている場合もあります。これだとトレーニングのリズムが狂ってしまいますよね。

以上のことから、スーパーセット法はジムの混雑時には適していません

なるべくジムが空いている時間帯で行うようにしましょう。

混雑時にどうしても行いたい場合はマシンを占領するようなことはせず、周りに配慮をしましょう。ジムでは譲り合いの精神が大切です。

スーパーセット法を行う際の3つのデメリット

  • 難易度が高い
  • 疲労度が高い
  • ジムの混雑時には向いていない

スーパーセット法はこんな方・場合に向いていない!

  • マッスルコントロールが上手にできない
  • 通常のトレーニングでも十分追い込めている
  • ジムの混雑時

部位別スーパーセット法を用いたトレーンングを紹介!

スーパーセット法のメリットは理解したけれど、実際にどのような種目を組み合わせたらいいかわからないという方もいると思います。

ここでは実際に部位毎の具体的な種目を紹介していきますので、ぜひご自身のトレーニングに取り入れてみてください。

上腕二頭筋と上腕三頭筋

スーパーセット法で一番人気なのが、上腕二頭筋と上腕三頭筋のスーパーセット法です。

ジムで行っているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。

腕は大筋群に比べると優先順位が低いため、通常のトレーニング後にスーパーセットで追い込むのはオススメの方法です。

アームカール×トライセプスプレスダウン

まず最初が、上腕二頭筋の代表種目・アームカールとケーブルを利用した上腕三頭筋の種目・トライセプスプレスダウンです。

それぞれの正しいフォーム説明とポイントについて、簡単に説明していきます。

アームカールの正しいフォーム

①足は肩幅にし、膝を軽く曲げて立ちます。

②しっかりと胸を張った状態でバーベルを握ります。

③上腕二頭筋の収縮を感じながらカール動作を行います。

④負荷を感じながらゆっくりと下ろしていき、肘が伸びきる直前で切り返します。

①〜④の動作を繰り返します。

アームカールのポイント

①肘の位置は常に固定
動作中に肘が前後に動いてしまうと、上腕二頭筋から負荷が抜けてしまうため、肘は体より少し前に出し、固定します。

②反動は使わない
1レップ毎丁寧に行いましょう。アームカールは直立して行うため、反動を使いやすい種目です。

あえてチーティングを使いネガティブ動作(下ろす動作)で効かせるという方法もありますが、まずは自分の筋力で扱える重量で行いましょう。

③ネガティブ時に力を抜かない
よくジムで見かけるのが持ち上げるときだけ丁寧に行い、下ろす際に力を抜いてストン、と戻すアームカールです。

ネガティブ時にも負荷をかけることは筋肥大にも効果的ですので、ゆっくりと負荷を感じながら下ろしましょう。

※アームカールを行う際は、バーベルだけではなくEZバーやダンベルなど、目的に合わせてツールを変更しましょう。

プレスダウンの正しいフォーム

①足を肩幅に開き、バーを肩幅より少し狭い位置で握ります。

②バー自分の方に引き寄せ、しっかりと胸を張ります。(この時、脇を締め肘は体の後ろで固定しましょう)

③肘が伸びきるまでバーを下ろしていきます。

④上腕三頭筋の収縮を感じたら、前腕が地面と平行になるまでゆっくりと戻していきます。

①〜④の動作を繰り返します。

プレスダウンのポイント

①肘の位置は体の後ろで固定
アームカール同様、肘の位置が前後に動くと上腕三頭筋から負荷が抜けてしまうため、肘を体の後ろで固定し動作中に動かさないようにします。

②収縮を意識する
上腕三頭筋は肘を伸ばしきった際に収縮されるため、毎回腕を伸ばしきりギュッと二の腕が収縮することを意識しましょう。

③ネガティブ動作も丁寧に
戻す際も力を抜かず、ゆっくりと負荷を感じながら戻していきます。動作中は常に上腕三頭筋に負荷が乗っていることを意識しましょう。

※プレスダウンはバーではなくロープを使うことで、より外側頭(二の腕の外側)をピンポイントで鍛えることができます。上腕三頭筋の中でもどこを鍛えるかによってツールを変えましょう。

プリチャーカール×ライイングエクステンション

続いては上腕二頭筋だけでなく上腕筋や腕橈骨筋(前腕の筋肉)も鍛えることができるプリチャーカールと、

上腕三頭筋に強いストレッチをかけることができるライイングエクステンションの組み合わせです。

プリチャーカールの正しいフォーム

①EZバーを逆ハの字で握り、プリチャーカール台に両肘を乗せます。

(この時、肘は軽く曲げておきましょう。肘を伸ばしきってしまうと肘関節への負担が高まり、怪我の危険性があります)

②両肘を曲げてバーベルを持ち上げます。(肘を曲げすぎてしまうと負荷が抜けるため、45度の位置を目安にまた下ろしていきます)

③負荷が抜けないようゆっくりとバーベルを下ろしていき、また肘が伸びきる直前で切り返します。

①〜③を繰り返します。

プリチャーカールのポイント

①肘を台に固定する
セット時に肘をプリチャーカール台へとしっかりと固定し、動かないようにします。

(対象部位のひとつである上腕筋は肘関節のみに付着している単関節筋のため)

②常に筋肉にテンションをかけ続ける
動作中は常に筋肉から負荷を抜かないようにしましょう。(肘を伸ばし切らない、肘を45度以上曲げない)

③動作をゆっくりと行う
ネガティブ時も負荷を抜かず、ゆっくりと動作を行いましょう。

ライイングエクステンションの正しいフォーム

①ベンチに仰向けになり、EZバーを狭い手幅で握ります。

②肘を固定した状態でバーベルを頭の方に下ろしていきます。

③肘を伸ばすようにして、元の位置にバーベルを戻します。

①〜③を繰り返します。

ライイングエクステンションのポイント

①脇を閉じる
肘を開くと動作自体は楽ですが、その分上腕三頭筋の関与が少なくなります。できるだけ脇を閉じて行いましょう。

②上腕三頭筋のストレッチを意識する
ライイングエクステンションはストレッチ種目のため、バーベルを下ろす際に上腕三頭筋がしっかりとストレッチされていることを意識しましょう。

③長頭を鍛えるため、バーベルを頭より遠くに下ろす
上腕三頭筋は外側頭、内側頭、長頭に分けられ、このうち長頭だけは肘関節と肩関節をまたぐ二関節筋です。

そして長頭は肩関節を伸展(腕を後ろに引く)させることで作用します。

そのためライイングエクステンションを行う際はバーベルを頭よりも遠くに持って行く意識で行うと、より長頭へ効かせることができます。

※ライイングエクステンションはバーベルを頭上に持ってくるため、一歩間違うと怪我をする危険性があります。

まずは低重量で動作を確認し、慣れてきてから重量をあげるようにしましょう。

大胸筋と広背筋

体の中でも大きな筋肉に分類され、鍛えることで見た目への変化も大きい大胸筋と広背筋。

普段はそれぞれ違う日に鍛えている方がほとんどだと思います。

しかし普段忙しい方からしたら、この二つの筋肉を同時に鍛えられれることができるならかなりの時短につながりますよね。

ベンチプレス×チンニング

まずは大胸筋の代表的な種目であるベンチプレスと広背筋を重点的に鍛えられるチンニングの組み合わせです。

ベンチプレスの正しいフォーム

①ベンチに仰向けになりましょう。

②しっかりと胸を張り肩甲骨を寄せ、両足をお尻の方へと近づけます。(腰にアーチを作るよう意識します)

③バーベルを肩幅の約1.5倍で握ります。

(手幅が広すぎると三角筋、狭すぎると上腕三頭筋への関与が高まります。自分にあった手幅を調節しましょう。)

④肩甲骨を寄せた状態でバーベルを持ち上げ、バストトップまで下ろします。

⑤大胸筋のストレッチを感じたら、真上にバーベルを持ち上げます。

①〜⑤の動作を繰り返します。

ベンチプレスのポイント

①バーベルの軌道は常に一定
バーベルの軌道がバストトップより上すぎたり、逆に下すぎると大胸筋から負荷が抜けてしまうため、常に一定の軌道で上下しましょう。

②肩をベンチから離さない
プレス時に肩が浮いてしまうと三角筋へと負荷が逃げてしまうため、ベンチから離さないようにしましょう。

③バーベルは手首の真上に乗せる
バーベルを手の上の方で握ってしまうと、手首への負荷が強まり怪我をする可能性があります。

なるべく手の下の方、手首の真上で握るようにしましょう。

チンニングの正しいフォーム

①バーを肩幅の約1.5倍で握ります。(この時、グリップは親指を外して握るサムレスグリップにしましょう)

②足を地面から浮かし、お尻の下で組みます。

③しっかりと胸を張り、肩甲骨を下制(下に押し付けて固定)させた状態で胸をバーに近づけるようにして上体を持ち上げます。

④広背筋の収縮をしっかりと感じたら、肘が伸びきる直前までゆっくりと上体を戻していきます。

①~④の動作を繰り返します。

チンニングのポイント

①手幅を狭くしすぎない
手幅を狭くしすぎると上腕二頭筋の関与が高まってしまいます。

補助的に使う分には問題ありませんが、あくまで広背筋がメインのため手幅はしっかりと調節しましょう。

②下半身の反動を使わない
よくジムで見かけるのが、下半身の反動を利用して上体を持ち上げる方法です。

これでは上体を上げる際にほとんど広背筋が使われていません。そのため足をお尻の下で組み、下半身の反動が使えないようにしましょう。

③肩甲骨を常に下制させる
動作中に肩がすくんでしまうと広背筋から負荷が抜けてしまうため、肩甲骨を常に下制させて固定しましょう。

下制の意識がわからない方は、バーを握った状態で胸をしっかりと張ってみてください。

人体の構造上、胸を張ると自然と肩甲骨が下制されます。

※チンニングは一見簡単そうに見えて実は難しいトレーニングです。

自重で10回できるだけでも、トレーニング中級者以上といえます。

チンニングができない方は、足を地面につけた斜め懸垂やアシストがあるマシンを使用しましょう。

逆に自重では余裕でできる方は、加重してチンニングを行いましょう。

加重の目安は、自分の体重+加重分がベンチプレスの挙上重量と同じになるようにします。

(例:体重60キロ、ベンチプレス80kgの場合、20kgのプレートで加重しチンニングをする)

ダンベルフライ×ラットプルダウン

次に、大胸筋のストレッチ種目であるダンベルフライと、チンニングに次ぐ広背筋の代表種目・ラットプルダウンの組み合わせです。

ダンベルフライの正しいフォーム

①ベンチに仰向けになり、胸を張って肩甲骨を寄せます。

②手のひらを向かい合わせにした状態で、ダンベルを両手に持ちます。ここがスタートポジションです。

③両手に持ったダンベルを左右に開くようにし、下ろしていきます。(この時、大胸筋のストレッチを意識します)

④半円を描くようにしてスタートポジションまでダンベルを戻します。

①~④の動作を繰り返していきます。

ダンベルフライのポイント

①ボトムポジションで1秒キープ
ダンベルフライはストレッチ種目です。

ダンベルが一番下の状態で大胸筋がストレッチされるため、ボトムで1秒ほどキープしましょう。

②肘の角度は固定
動作中は肘を軽く曲げ(10~20度程度)、固定します。よくあるのが、ボトムからの切り返し時に肘を曲げながら戻してしまうことです。

これでは上腕二頭筋を使っているため、肘は固定し肩関節のみを動かすことを意識しましょう。

③軽重量で動作を丁寧に
ダンベルフライは丁寧に動作を行えば軽重量でもしっかりと効かせることができます。

逆に無理に高重量を扱ってしまうと三角筋や上腕二頭筋の関与が高まってしまいます。

ラットプルダウンの正しいフォーム

①シートに座り、下半身を固定します。

②肩幅の1.5倍ほどでバーを握ります。(この時、サムレスグリップで握ります)

③しっかりと胸を張り、肩甲骨を下制させます。

④上体を少し後ろにずらし、バーを顎のラインまで下ろします。(この時、広背筋が収縮していることを意識しましょう)

⑤広背筋から負荷が抜けないようにゆっくりとバーを戻していき、肘が伸びきる直前で切り返します。

①~⑤を繰り返します。

ラットプルダウンのポイント

①背中を丸めない
動作中に背中を丸めてしまうと、広背筋から負荷が抜けてしまいます。常に胸を張り、肩甲骨を下制させましょう。

②肩をすくめない
ラットプルダウンを行う際に一番よくあるのが、バーを戻す際に一緒に肩も上がってしまうことです。

これでは僧帽筋(首回りの筋肉)に負荷が抜けてしまうため、常に肩を下げて固定しましょう。

③上体を前後に動かさない
ラットプルダウンで引く際に上体を後ろに下げてその反動で引く方法がありますが、これだと広背筋を使用している範囲が狭くなってしまいます。

まずは上体を固定し、丁寧に動作を行いましょう。

※ラットプルダウンは、先ほど紹介したチンニングに比べ背中に効かせやすい種目です。

チンニングで背中を使っている方がわからない方は、まずはラットプルダウンで練習しましょう。

また、チンニングでもラットプルダウンでもグリップはサムレスグルップ(親指を巻かない)をオススメします。

なぜなら、広背筋からつながる神経が小指側へと繋がっているからです。

そのため、動作時は小指側に力を込めることにより広背筋のマッスルコントロールを意識しやすくなります。

大腿四頭筋とハムストリングス

最後が太ももの大腿四頭筋ともも裏のハムストリングスで行うスーパーセット法です。

足のトレーニングは大腿四頭筋を重点的に鍛え、ハムストリングスまで手が回らないという方が多いかと思います。

スーパーセット法を使うことにより、下半身を満遍なく鍛えることができます。

レッグエクステンション×レッグカール

まず最初が、大腿四頭筋とハムストリングス、両方の収縮種目であるレッグエクステンションとレッグカールの組み合わせです。

マシンを使うため準備も簡単で、即座に次の種目へと移ることができます。

レッグエクステンションの正しいフォーム

①マシンに深く座り、パットの位置を調節します。(足首に当たるようにする)

②左右のバーを握り、胸を張った状態で足を持ち上げます。

③膝から下が地面と平行になるまで伸ばしきります。(この時大腿四頭筋の収縮を意識する)

④ゆっくりと足を下ろしていき、負荷が抜ける直前で切り返します。

①~④を繰り返します。

レッグエクステンションのポイント

①可動域を広くする
レッグエクステンションでは、足を伸ばしきった状態で大腿四頭筋が最大収縮します。可動域が狭くならぬよう、毎回伸ばしきるようにしましょう。

②負荷を抜かない
よくジムでプレートをガッチャンガッチャン鳴らしながら動作を行っている方を見かけます。

レッグエクステンションでは、プレートが下までついてしまったら負荷が抜けてしまいます。

負荷が抜けきる寸前、プレートが着く手前で切り返しましょう。

③お尻を浮かせない
動作中にシートからお尻が浮いてしまうと、大腿四頭筋から負荷が抜けてしまいます。

そのため常にシートにお尻を押し付け、浮かないようにしましょう。

マシンによっては太ももを固定するパットもあるので、利用することをオススメします。

レッグカールの正しいフォーム

※レッグカールには座って行うものと寝て行うマシンがあります。ここでは座って行うフォームを紹介します。

①マシンに深く座り、パットが足首の裏に来るよう調節します。

②左右のバーを握り、胸を張った状態でかかとをお尻に近づけるようにして膝を曲げていきます。

③限界まで膝を曲げ、ハムストリングスを収縮させます。

④ゆっくりと元の位置まで戻していき、負荷が抜けきる直前で切り返します。

①~④を繰り返します。

レッグエクステンションのポイント

①膝をしっかりと曲げる
ハムストリングスは、膝関節が屈曲(曲げる)された際に収縮されます。可動域をなるべく広くし、かかとをお尻につけるイメージで膝を曲げましょう。

②膝を伸ばし切らない
膝が伸びてしまうとハムストリングスから負荷が抜けてしまうので、パットを戻す際は膝が伸びきらないよう注意しましょう。

膝が伸びきる手前で切り返すことにより、常にハムストリングへテンションをかけることができます。

③つま先を上に向けて固定
レッグカール行う際によくあるのが、ふくらはぎを攣ってしまうことです。

ふくらはぎに負荷が抜けないために、レッグカールの動作中は足首を背屈(つま先を上にし、足首を立てる)させた状態にしましょう。

スクワット×ルーマニアンデッドリフト

最後に紹介するのが、キングオグエクササイズと名高いスクワットと、ハムストリングスを高強度でストレッチできるルーマニアンデッドリフトです。

スクワットの正しいフォーム
①しっかりと胸を張った状態で肩甲骨を寄せ、首の付け根(僧帽筋)でバーベルを担ぎます。

②足は肩幅にセットし、お尻を後ろに引くようにしてしゃがんでいきます。

③太ももが地面と平行になったら切り返していきます。

①〜③を繰り返します。

スクワットのポイント

①背中を丸めない
背中を丸めてしまうと、腰への負担が強くなってしまいます。動作中は常に胸を張るようにしましょう。

②膝の角度を固定する
スクワットで起き上がる際、膝が外側に向いてしまったり、逆に内側に入ってしまう方がいます。

これは膝関節への負担が高まってしまうため、膝の角度は常に一定に保ちましょう。

③股関節の動かし方をマスターする
スクワットを行う際に一番難しいのが、股関節のヒンジ(股関節を曲げる)動作です。

これがうまくできないと膝が前に出てしまい、膝関節のケガのリスクを高めてしまいます。

※スクワットは、膝関節だけではなく股関節も使用する多関節種目です。

そのためフォームが難しく無理をすると怪我の危険性も高いため、まずは自重でフォームを固めてからバーベルを担ぐようにしましょう。

ルーマニアンデッドリフトの正しいフォーム
①足を腰幅にし、膝を軽く緩めて肩幅でバーベルを握ります。

②しっかりと胸を張り、お尻を後ろに上げるようにしてバーベルを膝下まで下ろしていきます。

③ハムストリングスのストレッチを感じたら、かかとで踏ん張りながらスタートポジションまで戻ります。

①〜③を繰り返します。

ルーマニアンデッドリフトのポイント

①骨盤を前傾(出っ尻の状態)させる
動作時に背中が丸まり骨盤が後傾してしまうと、ハムストリングスから負荷が抜けてしまいます。

股関節を曲げながら骨盤を前傾する動作を覚えましょう。

②膝を曲げすぎない
動作時に膝を曲げすぎてしまうと、自然とお尻の位置も下がりハムストリングスのストレッチが弱くなってしまいます。

あくまでも膝は軽く緩める程度で、お尻を突き上げる意識で行いましょう。

③バーベルは常に体を沿うように動かす
バーベルが体から遠いところを通ると、背中が丸まりやすくなってしまいます。
そのため常に体の近くを通るようにしましょう。

※ルーマニアンデッドリフトもスクワット同様フォームが難しい種目です。

間違ったフォームで行うと腰を怪我するリスクもあるため、まずは軽重量でハムストリングスのストレッチを感じる練習をしましょう。

『あえてレストを長く』スーパーセット法をより効果的にするポイント

最後に、スーパーセット法をより効果的にするポイントを紹介します。

通常、スーパーセット法では種目間の休憩はなるべく短くすることが推奨されています。

これには対象部位へ長時間負荷をかけられる、心肺機能の向上、より追い込める、といった理由があります。

しかし、通常のスーパーセット法に慣れてきた方にオススメなのが『あえて種目間の休憩を長くする』ということです。

これには相反神経支配を利用した回復促進により、筋力アップをするという目的があります。

どういうことかというと、通常のスーパーセット法では休憩が短いために疲労が回復できずど、うしても使用重量が下がってしまいます。

これはスクワットとルーマニアンデッドリフトを例に考えてみると明らかです。

スクワットを高重量で行った後に、すぐさまルーマニアンデッドリフトを行うことを想像してみてください。

かなりきついですよね?

疲労により使用重量が下がり、レップ数が減ることは目に見えています。

スーパーセット法の利点としてせっかく回復促進効果があるため、ある程度休憩をとってから行うことで高重量も扱え、より筋力アップにつながるということです。

これは上級者向けのスーパーセット法で、メリットの一つである時間短縮効果も半減してしまうというデメリットもあります。

しかし、普通のスーパーセット法にマンネリを感じてる・筋力アップをしたい方にはオススメですので、ぜひ試してみてください。

まとめ

今回はスパーセット法の基礎的な情報からメリット・デメリット、そして具体的な種目の組み合わせまで解説してきました。

最後におさらいとして、まとめておきます。

スーパーセット法とは?
→拮抗筋(表と裏の筋肉)同士を連続で鍛えていくトレーニング方法

スーパーセット法を行うべき5つのメリット

  • 時間短縮
  • 回復促進
  • 最後の追い込みに最適
  • 心肺機能の向上
  • パンプアップによる筋肥大

スーパーセット法を行う際の3つのデメリット

  • 難易度が高い
  • 疲労度が高い
  • ジムの混雑時には向いていない

部位別スーパーセット法の組み合わせ実例

■上腕二頭筋と上腕三頭筋

  • アームカール×トライセプスプレスダウン
  • プリチャーカール×ライイングエクステンション

■大胸筋と広背筋

  • ベンチプレス×チンニング
  • ダンベルフライ×ラットプルダウン

■大腿四頭筋とハムストリングス

  • レッグエクステンション×レッグカール
  • スクワット×ルーマニアンデッドリフト

スーパーセット法は難易度が高いなどいくつかのデメリットがあります。しかし、それを上回るほどにたくさんのメリットがある方法です。

なかなかトレーニングの時間を取れない方、普段のトレーニングにマンネリ化を感じている方にはとてもオススメですので、ぜひご自身のトレーニングに取り入れてみてください!

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DAIKI OGAWA
DAIKI OGAWA
幼少期から柔道を習い、高校時代は全国大会出場を目指すも夢叶わず。挫折に伴い柔道を引退し、大学時代はその反動で遊び尽くす。それまでしていたハードなトレーニングを一切やめ、暴飲暴食、昼夜逆転。その結果、体がブクブクと太り見るも無残な姿に。このままではさすがにヤバイと思い、本腰を入れてボディメイクに打ち込む。その勢いで応募したフィットネスコンテストで初出場、入賞を果たす。そこからパーソナルトレーナーとしての活動を開始し、年間1,000件以上のセッションを担当。ダイエットはもちろん、誰が見てもカッコイイカラダ作りを得意とする。現在では海外を拠点に『ボディメイクを中心としたライフスタイル』を送るため奮闘中。

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